紙の本
県警を舞台とした短編集4編
2001/04/09 00:30
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表題作は、天下り先で任期の切れた男がまだ辞めないと言い始めたために、県警で人事を担当するエリートの男が調査を行い、原因を探っていく、という物語。面白いことは面白いがあまりに偶然すぎて、ちょっとどうか、という感じ。
他の3編も似た様な話。警察の人事などを含めて、警察の内情話としては面白いが、トリックとしては無理が多すぎる感じがする。
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警察を 内部の目で書いた作品。
しかも ポストや利権を巡るさまざまな駆け引きや葛藤を書いているのが興味をそそられる。
警察という閉ざされた【村】の中で職務に燃える警察官がいる一方
何とかして這い上がろうとする肩書き至上主義者が存在し
そこまで極端でなくとも 出世のために何がしかを犠牲にせざるを得ない苦悩も描かれている。
どこの社会でも 登りつめる為の争いは同じかもしれないが
舞台が市民の安全を守るべき警察署の内側だということが 興味深い。
ある場面 あるいは言葉によって 仕掛けの謎が閃く所は 何度読んでもドキッとする。
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警察人事系ミステリ風組織処世術。
なにこの中間管理職のハートを射抜くテーマ。着眼点が新しいですよ。
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短編集。なんか読んだことのある話と思ったら、"顔"のみずほ、そうねそうねのそねさん登場。先に"顔"を読んだんだな。"鞄"が次につながったのかな。D県警シリーズ第1弾。短編なのに↑↓ミステリアル。ひきつけ、引き込む力がある。2008.4.23.
地の声;曾根警部がスナックママと不倫していると投書。陰の人事権者といわれるD県警・二渡真治警視(警務課調査官)が元公安柳一樹巡査部長と捜査。
陰の季節;尾坂部元部長、産業廃棄物不法投棄監視協会専務理事。3年で次の退職者に譲るはずだがやめないと言い出し奔走。
黒い線;警務課婦警担当係七尾友子、鑑識課長森島光男から連絡がある。機動鑑識班の平野瑞穂巡査が似顔絵でお手柄婦警と報道のあとから行方不明。
鞄;鵜飼県議が爆弾質問といううわさ。警務部秘書課長坂庭昭一の課長補佐・柘植正樹警部があちこち探る。新堂隆義警視(監察課監察官)に「エース」二渡にあたるよう助言されるが無視。
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捜査ではなく、D県警警務部内部の人間模様にスポットを当てた警察小説。
出世のために足を引っ張り合う男たちの交錯する思惑・・人間臭いわぁ。
真相が閃くときの瞬間が毎回どきっとします。
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警察署のシリーズ,初めて読んだけれど,こんな面白い警察推理小説あるんだ!!
くたくたまで,理不尽な社会の中で働き続ける人々,ぎりぎりまで追いつめられた心理描写,
すべてが素晴らしい。
登場人物がすべてつながっているところもすごく面白い。
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警察を舞台にした「陰の季節」「地の声」「黒い線」「鞄」の4編。内部事情や人間関係から警察という組織の体質を暴くといった内容になる。10年前の作品だが、時代遅れな警察体質は変わったかなぁ、変わってないだろうなぁ〜
事件物として読んだら面白くも何ともない。公務員批判でもなく、こんなもんだよとあっさり描写している。それを、そんなもんだろうなと、こっちも組織人だから受け取ってしまう。事実は小説より・・
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〈内容〉警察一家の要、人事を担当する二渡は、天下り先ポストに固執するOBの説得にあたるが……。警察小説の新たな地平を拓く話題作。
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短編集。警察官、新聞マン、服役囚、裁判官などで起こる出来事を題材にしている。人のネガティブな気持ちや信じて生きていこうとする気持ちなど心の移り変わりを描いている。
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警察の裏側を描いた話。
内部の出世競争は激しく、みんなが人事に敏感だ。その人事権を握るエース。だけど、人間誰しも完璧ではない。出世ばかり気にして、友情も家庭も無くしてしまうのはあまりにも哀しい。
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面白い?というか組織ネタは食傷気味、何か自分の会社風土も重なりそうで、読んでストレスが増加しました。
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流石 横山秀夫、流石 松本清張賞受賞作。
派手さはないものの、それぞれの心情、葛藤、苦悩が綴られていき、ラストで布石が収斂していく様は、読んでいて「ふーっ」とため息を連発させられる。
妙な「横山秀夫不足」を感じて久しぶりに2冊読んだ。
やっぱりいいわ。
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横山秀夫氏の作品は「半落ち」しか読んだことがありません。あまり感じるところがなかったんで、今回はと期待してみたのですが、やはり私には、ピンとくるものがなかったです。確かに警察内部の話って興味深いものではあるのですが。
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内容紹介
天下りなどの人事問題に真っ正面から取り組んで、選考委員の激賞を浴びた松本清張賞受賞作ほかテレビドラマ化されたD県警シリーズ
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64(ロクヨン)を読んで、読友さんに「D県警シリーズ」を教えて頂きました。横山秀夫さんのデビュー作になるのですね。警務課調査官二渡が主人公で架空の警察本部D県警の管理部門人事責任者の物語。表題作「陰の季節」は、人事異動の内示発表の5日前、3年前に民間企業の産業廃棄物不法投棄監視センター専務理事に天下りしていた尾坂部道夫が、“3年で辞める”という暗黙の掟を破り、「辞めない」と言い出す。人事担当の調査官・二渡がその理由を調べ始めると……尾坂部が結婚間近の尾坂部の娘が被害にあった暴行事件を捜査していた。