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紙の本

アメリカを理解しようとした日本人たちの軌跡

2007/06/11 12:03

6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る

戦前、戦後の2巻にわけて、日本から米国に渡航した日本人たちの回顧録を手がかりに、彼らが米国とどう向き合い、米国を理解しようとしたのか、その足跡をたどる。戦前篇はジョン万次郎、福澤諭吉、新島襄、津田梅子、内村鑑三、片山潜、新渡戸稲造、朝河貫一、有島武郎など11名。戦後篇は都留重人、小田実、江藤淳、藤原正彦、西部邁、村上春樹ら16人。面白さという点では、より時代が近い「戦後篇」の方が面白い記事が多いが戦前篇も、まだまだ貧乏国だった黎明期の日本が、高度成長を謳歌する後の世界覇権国アメリカに渡って苦闘する姿が描かれていて味わいがある。津田梅子の生涯は現在の帰国子女教育と二重写しになって考えさせられる。フランスのシオランが「祖国とは母国語」と喝破しているように、本来、教育の根幹は日本語を如何に教えるかにあるはずなのに、たれ「帰国子女枠を使うと受験に有利」だとか「これからは国際語たる英語をマスターさせたい」などと、ろくに英語も使えないウスラバカの親が、今も自分の子供を米国の小学校に放り込むという「児童虐待」を続けているが、津田梅子の生涯が示しているように現地校で育てると子供は日本人では無くなる。こうして育てた子弟をそのまま米国で就職させるならいざ知らず、日本の大学を経て日本の会社に就職させようとすると子供は大変な負担を強いられる。現に日本に駐在させている外国人の大半は現地校たる日本の学校に自分らの子供を通わせていない。白眉はやはり朝河貫一の「日本の禍機」を一節を著者が要約した以下のくだりであろう。「アメリカを過小評価するな。アメリカ人は金儲けにばかり走り、てんでんばらばら勝手に振舞っているように見えて、いざとなれば道義心愛国心ともに厚く、ユーモアの精神を持ち余裕を見せながら、案外あなどれない力を発揮するぞ」。ただ著者が嘆くとおり「米国の偉大さ」「米国の底力」を理解しようとせず「相も変わらず肩いからせてアメリカの悪口をいう」軽佻浮薄な輩は日本中に溢れている。まことに「昔も今もアメリカを正しく理解することは難しい」のである。戦後篇では、この肩いからせてアメリカの悪口をいう輩が登場する。小田実、江藤淳、藤原正彦、西部邁らがそれである。江藤や西部の体験談を見ると、本人の歪んだ性格が自ら米国滞在中の不愉快な経験を引き寄せているとしか見えないし、親から莫大な仕送りをもらって王侯貴族のような生活をしつつ最後までアメリカは滅びる、これからは社会主義の時代だと叫び続けた欺瞞的存在の都留重人など読んでいて非常に興味深い記述が多かった。お奨めである。

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