紙の本
ふつうの人には体験できない社長という人生
2003/07/24 23:31
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆうどう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハイパーシステムを開発し、「ニュービジネス大賞」まで受賞したITベンチャーの旗手による、成功と転落の自叙伝である。
ハイパーシステムとは、ユーザーの嗜好に合わせてブラウザ上に広告を配信するという、ワン・トゥ・ワン・ビジネスに打ってつけの広告配信システムである。本書では、この画期的なアイデアを思いつくまでの軌跡と、その後の事業展開を時系列で詳細に語り、最後は26億円の負債を抱えて自己破産するまでを描く。最初のゲームソフト会社を興したのが20歳と2か月。そして、37億円の負債を残してハイパーネットが倒産したのが、34歳になる直前であった。若い!
まことにエキサイティングな物語(実話)である。起業家というのは、実にバイタリティのある人種なんだなあ、ということをつくづく感じる。しかも、学歴や年齢は関係ない。自分とは縁のない世界の話だけに、全く違った人生を追体験できる。
それにしても、著者は日記でも付けていたのだろうか。それとも、優れた記憶力の持ち主なのだろうか。個々のエピソードが、実に具体的で細かく描かれている。まるで小説を読んでいるようだ。いや、下手な小説より面白い。
電子書籍
失敗談として大変参考になる。
2017/07/05 11:16
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投稿者:ほーりー - この投稿者のレビュー一覧を見る
かなり細かいところまで描写されており、臨場感を味わいながら読み進めることができます。ビジネス書にありがちな退屈な感じはありませんし、失敗談としても大変参考になります。
ただ一点注意すべきなのは、失敗の原因が体系的にまとめられていたり、深く分析されていたりするわけではないということです。リアルな体験談の中から読者自身が原因を見つけ、分析することによって初めて意味のある本であると思います。
電子書籍
文句なしの名著です
2017/05/14 18:17
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投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
元祖ITベンチャー、ハイパーネットの板倉社長の手記です。たった1年の間での転落劇は、一気に読んでしまうくらい惹き付けるものがあります。あれから20年くらい経つ話ですが、色褪せることないノンフィクション、当時よくここまで冷静かつ客観的に自分のことを書けたことにも驚きです。経営者のみならず、サラリーマンも必読かと思います。数々の大物登場も楽しめます。
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今となっては社長blogがあちこちで出来ていますが、私が「社長モノ」「起業モノ」を読み始めるきっかけとなった本です。
マスコミの報道とかは、ステレオタイプ化したり、盛り上がるような報道の仕方しかしないので、逆の当事者の立場から書かれた本書を読んだことは、社長さん側の立場を考える貴重なきっかけでした。
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1つのベンチャー企業が破産宣告を受けて倒産した。インターネットを使った新サービスで脚光を浴びた、ハイパーネットという企業だ。大手証券会社や銀行などから融資の申し出が殺到し、米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長までが面会を求めてきたという"栄光"から、わずか2年足らずの間での転落劇だった。
なぜ、ハイパーネットは挫折したのか?
米国のビジネススクールでは、事業に失敗した経営者が講師となり、体験を語る授業が珍しくないという。
介護ビジネス会社が雨後の筍のように登場している今、業種こそ違うが、経営者には読む価値のある一冊!
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この本をとるきっかけになったのはちょうどライブドア問題で凄く的を得て発言したのを見て手に取りました。
いや、淡々と経緯を書いてとても良い本だと思った。
当たり前だけどどんなに良いアイデアだけでは成功しないということがわかる一冊だと思う。
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小説のような事実が書かれていた本だった。90年代後半のベンチャーを代表する、ハイパーネットの実態が取締役社長である板倉雄一郎氏が書いた本。ブロックごとに別れていないためにどこで読み終えようか迷うといった構成的な意見を抜かすと抜群におもしろかった。
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個人的にかなりお勧めの本。
ベンチャーの雄として、頂点にいた人がどこで足を踏み間違えたか。
分岐点を詳細に記載しており、読み応え十分。
非常にためになる。
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株式会社ハイパーネット社長の板倉雄一郎氏の会社創業から成功、そして1997年の倒産までを描いた本書。自分の失敗体験を公開し、「失敗のケーススタディ」を残す文化を根付かせるきっかけを作りたいとの思いで、書かれている。
本書を通じて、ファイナンスの大切さや、社員とのコミュニケーションの大事さ、時代の流れがビジネスに与える大きさを痛感した。結局最後は倒産するのだと知っていても、そこにたどり着くまでの過程に、読み物としてものめり込んだし、もちろんビジネス書として学ぶものも非常に多かった。
個人的な印象だが、読み終わった後に非常に大きな虚無感を感じた。そこまでの成功を収めた人間が、ひとさじの判断の違いや、偶然の時代背景からの影響によって、全てを失ってしまうのものなのだと、事実を通じて見た時、ビジネスを起す、または起したい立場の人間の視点からは、むなしさを感じずにはいられなかった。しかし、その失敗の過程と向き合えたことで、とかく成功した場面ばかりが注目されがちな、ベンチャービジネスの新たな一面を知り、今後の糧にできたと確信している。
余談だが、別れの際の最後の彼女の一言に、世の中そんなもんなのか、というなんともいえない思いに駆られた。
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こんなに読み始めから心が暗くなる本は初めてだ。サブタイトルからもわかるとおり、一つの会社がつぶれる話。
本の構成からして最初から、「結局最後は失敗するんだよ」って主張が明白だったから、
主人公の会社が立ち上がったとき・事業が波に乗り出した時・賞を受賞して輝いていた時、etc...
常に常に、なんとも言えない感情を抱いて読むことになった。
成功者の生い立ちものばかり読んでる人に、現実を突きつけてくれる。
特に起業したいと思ってる人は読むべし。この現実を受け入れる覚悟が無いなら、経営なんて無理だろう。。。
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僕がベンチャーに転職する前に覚悟を決めるために読みました。前半の昇り調子の派手な盛り上がりと、後半の転落の激しさがリアルで、当時衝撃的でした。
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ハイパーネット社長が起業して、倒産した話。
自分や人の失敗から学ぶものは多いと思う。
ただ、この話は、まず、ネット事業のシステムがよく分かりにくいのと、社長自身がアイディアは浮かびやすいのだけど、その後が適当だったり、自身が眉唾のように見える。結局、貸し渋りが大きな原因?のような印象になっている。(もちろん、ほかの原因も、いくつか書いてあるが)
私自身、何をここから学べたのか、よくわからない。
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わずか2年でビル・ゲイツへの面談から破産へ。急転直下なハイパーネットを経営した、社長による失敗録。のベンチャー破綻路線を活き活きと記した好著。文章や構成が旨い。これで処女作とは。2/3くらいまで成功路線が続きつつ、破綻を促すヒキも忍ばせる。
小説仕立ても馴染みやすく、ぐいぐい読めた。最後の債権者集会の様子まできっちり描いてアンサクセス・ストーリーの落とし前をきっちりつける。
いつの間にか歯車がずれて行き、金策へ追いやられるさまは迫力だった。同社の経理担当者の書いた本も読んでみたい。
描写から歯軋りが漏れつつも、あくまで客観的に記そうとする。だから、凄みある。
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起業、成功、そして倒産までの道のりが生々しく書かれた良書。400ページ弱あるボリュームであるが、読み始めると時間を忘れて本にひきこまれていった。著者の現状に満足せず常に新しい物に挑戦していく姿、銀行との関係、社内の人間関系、世に出回る成功本を多く見るのもいいが具体的な失敗経験の書いてある本を見るほうがはるかにためになる気がした。
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97年末に倒産したハイパーネットの社長本人が綴る、設立から倒産までの記録。取引先や銀行とのやり取りが生々しく書かれており読み物として素直に面白い。
最後には倒産すると分かって読んでいるのだけど、それでも第4章の「転落」と第5章の「倒産」は、かなりせつない。経営者の孤独と苦悩が伝わってくる。
97年末に倒産したハイパーネットの社長本人が綴る、設立から倒産までの記録。取引先や銀行とのやり取りが生々しく書かれており読み物として素直に面白い。
最後には倒産すると分かって読んでいるのだけど、それでも第4章の「転落」と第5章の「倒産」は、かなりせつない。経営者の孤独と苦悩が伝わってきた。