ぬれぎぬを晴らすために
2001/11/14 23:11
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投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
競馬シリーズの1969年の第8作。
騎手のケリイ・ヒューズと調教師のクランフィールドは、身に覚えのない八百長の嫌疑で査問にかけられ、競馬界を追放される。何者かに罠にはめられたと悟ったヒューズは、ぬれぎぬを晴らすため、敢然と孤独な調査を開始するが…。
ネタばらしをしないように感想を書くのがむずかしいのだが、とにかくスリリングでおもしろい。しごくまっとうで好感の持てる主人公と、異常な悪役との対照は、フランシスの多くの作品で見られる特徴だが、本書の陰謀者のねじくれた動機と陰険な手段は、「度胸」に次ぐ凄味がある。
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8−9
今いち…。査問会で免許停止処分を受けた主人公の葛藤と戦い。
「勝つこともあり、負けることもあり」彼女が言った。「すべてがそういうことなのね」
「競馬?」
「人生}
彼女の顔を見た。
彼女が言った。「きょうはすばらしいし、免許を停止された時はつらかった。つべてがこうなんでしょうね……上がり下がり……いつまでも」
「そうだろうな」私も同意した。
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若い主人公の騎手が、不名誉な査問にかけられることに。
高慢な一家の娘とケンカしつつ、恋に落ちる。
懐かしい…
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競馬シリーズの一作である。
かつて誰かが作ったランキングで、この作品が上位にあがっていて意外な気がしたのを覚えている。ストーリーはおもしろいのだが、最後の現れる犯人像があまりにもやりきれなくて、読んでいて苦しくなってしまうのだ。
騎手である主人公が、罠にはめられてイカサマをしたと決めつけられ、その濡れ衣をはらすまでの話である。そういう意味では実にシンプル。
今回読み返して、著者の作品の主人公に共通するある特色が、きわめて鮮明に表現されていることに驚いた。
濡れ衣を着せられ今にも自殺してしまいそうに苦しむ主人公が、翌日訪問したヒロインに、「平然としているあなたには、哀しみがわからない」といったことを言われるシーン。
周囲の冷たい目を浴びながら、手がかりをつかむために関係者のパーティーに出かけ、あれが不正をした男だ、という声を必死に無視しつづけるシーン。
無惨な犯人像に比べてあまりにも甘い恋愛サブストーリーも含めて、とってもディック・フランシスらしい一作である。
ある種のエリート意識も含めないといけないかな。
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イギリスの作家ディック・フランシスの長篇ミステリ作品『査問(原題:Enquiry)』を読みました。
久し振りに海外のミステリ作品を読みたくなったんですよね… ディック・フランシスの作品は2年前に読んだ『興奮』以来ですね。
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〔競馬シリーズ〕競馬騎手ケリイは八百長レースの疑いで査問会にかけられた。
彼にとっては全く身に憶えのないことだったが、査問会は彼に免許の無期停止を言い渡した。
あまりに大きな衝撃。
これは誰かが仕組んだ罠なのか……あいまいな霧に覆われた斯界の最高権威、査問会の謎にいどむ騎手ケリイの絶望の闘い。
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1969年(昭和44年)に発表された競馬シリーズの第8作にあたる作品です。
騎手のケリイは裁決委員会に呼ばれ、査問会にかけられることを言い渡された… ケリイの乗った本命馬が二着となり、予想外の不人気馬が優勝をさらったことで、八百長レースの疑いを持たれたのだ、、、
しかし自分の潔白は明白だ… 査問会は必ず無実を証明してくれるだろう─だが、懸命の弁護も空しく結果は免許の無期停止だった。
これは誰かが仕組んだ罠なのか? 霧に覆われた査問会の謎に単身いどむ騎手の絶望的な戦いを描く!
八百長疑惑で騎手免許を剥奪された競馬騎手ケリイが、事件の真相を探りながら潔白を訴えて戦う… という展開、、、
証拠ともいえない事象や証言が取り上げられて有罪と判断される査問会にはモヤモヤ感がありましたが、その後の反撃にはスカッさせられましたね… でも、クオリティの高い競馬シリーズの中では、やや劣る印象かな。
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競馬シリーズ8作目。
騎手のケリイは調教師と共に査問委員会に呼ばれ、
八百長レースをしたとして、免許をはく奪される。
調教師の娘が、意気消沈している父親を助けてほしいと言いにきて、
身に覚えのないケリイは、
査問委員や召喚された証人たちを調べ始める。
イギリスの競馬は上流階級からはじまったため、
階級社会を色濃く映し出している。
馬主や調教師にとって、騎手や馬丁はまともに相手にする人間ではない。
それゆえ、ケリイが馬主や調教師に嫌われないように、
自分が大学を卒業したことは秘密にしていた。
興味深い。
女性が狂人になってしまったり、
鞭打ちクラブが脅迫のネタだったりと、
ちょっとミステリーとしてはいまひとつ。
鞭を入れると足をとめてしまう馬がいるとは、知らなかった。