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一人称で主人公の宮本音禰の視点で書かれている。金田一耕助ものだが推理小説というより冒険小説。
行く先々で殺人事件に巻き込まれの逃避行を続ける音禰を応援したくなり読むスピードが加速する。
金田一耕助は脇役だけど音禰からの嫌われっぷりはなかなかのもの。
一人称で主人公視点の金田一ものは長編では「八つ墓村」や「夜歩く」。短編では「蝙蝠と蛞蝓」や「七つの仮面」を知っているけど、他にもあるのですかね?
推理やトリックは雑になるのですが、実は全部面白い作品であることは確かです。
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人物描写が類型的、表層的に過ぎる。
もし、「男性作家には女性の人物描写は不可能」との立場で弁論大会を戦う
ことになれば、この作品を真っ先にその証左として挙げるだろう。というか、
男性の人物描写も同程度に酷いので、本作は上記主張の役にさえ立たないだろう。
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読み始めてすぐに「あれ、女王蜂と大体の構図一緒じゃね?」と思うけど読み進めてるうちにそれが大体一緒だ!の確信に変わります!
でも女王蜂よりも横溝先生の書きたかったこと全開!という感じで清々しくて好きです♡面白人間博覧会かな?っていうくらい濃い登場人物に翻弄されながらも全身タイツで頑張る音禰ちゃんが好きです♡
でもよくわからないけど何で音禰パパは音禰ちゃんを陥れようとしたの?他のやつ皆殺しにすればよくない?指紋はどうやって残したの?と様々な疑問が湧いてきますが横溝先生の圧倒的な「俺はこういうのが書きたかったんじゃい!」の前ではそのような瑣末なことを考えるだけ無駄ですね♡
本格的なミステリを所望してる人には向かないけどともかく横溝正史が好き!という人はこれを読まなければいけないと思います!
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誰が犯人か全く分からないまま、主人公の気持ちになってハラハラしていた。面白く読めたし、最後は主人公と良人が結ばれるハッピーエンド?だったので良かった。ただ、なぜ伯父が主人公を女性として愛していたのかがイマイチ分からなかった。美しいの一言だけなのか、長年一緒に暮らしていて、他人だったからか…。もしくは、主人公の母親の姉と結婚していたが、亡くなって、主人公と自分の亡くなった妻を重ねて見ていたのか…。罪に罪を重ねて死んでいき、こんなことをしなければ幸せに暮らしていたのではないかと思わずにはいられない。ただ、人生というのは、そういった自分でも予期しないことから、些細なこと?から大きなことへと良いも、悪いも繋がっていくのかもしれない。今回は主人公と良人が結ばれたから良いものの、少し気持ちはスッキリしないというか、怖さを感じる。
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ほとんど金田一耕助が出てこないけれど、金田一耕助への評価が語り部の音禰についつい引きずられてしまう。あのシーンでは思わずこちらまでホッとしてしまった。
両親を亡くして伯父のもとで暮らす音禰のもとに、見知らぬ男と結婚を条件に百億もの遺産が転がり込むことに。遺産をめぐり、今まで顔も合わせたこともない一族が集結するのだけれど、その一人一人も、彼らに付属する人々も個性が強い。音禰は令嬢として大切に育てられていたけれど、転がり落ち始めるとあっという間。彼女の行く末はいかにー!?と心配していたけれど、ハッピーエンドで終わってよかったよかった。
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エログロ色の強いミステリー。ヒロイン音禰の、男の征服欲を刺激するキャラクターは今となっては時代錯誤な感じだけど70年近く前の作品だから無理もない。八つ墓村同様金田一の出番が少ないのが残念。
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どんだけ首がごろごろする話なんだろうと思ってたら、ひたすらヒロインが許嫁とイチャイチャする話だった。
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ゆる〜く横溝正史を読み直そう!『三つ首塔』です
『三つ首塔』にはちょっと思い出がありましてね
確か小学五年生か六年生だったと思うんですが、幼なじみに本屋の息子がいまして仲良くしてたんですね
その彼が誕生日にプレゼントしてくれたのが本書でした
自分からリクエストしたかどうかは忘れてしまいましたが、角川文庫の横溝正史シリーズを収集してる途中だったので少なくとも何を持ってないかの確認はされたと思います
『病院坂の首縊りの家』上下巻も一緒だったので実家が本屋とはいえ小学生としてはかなり太っ腹な誕プレでしたね今思えば
今さらながらありがとうね(届くはずもないお礼コメント)
しかし、我ながら小学生の誕プレで横溝正史て!しかもよりによって『三つ首塔』て!
はい、『三つ首塔』ね
作品紹介によると「本格推理とメロドラマの融合」みたいなこと書いてありましたが、本格推理の要素はほぼないです
どちらかというと運命の恋に落ちた男女の冒険小説って感じですね
直接的な描写はないんですが、主人公音禰は言ってみればレイプされた男に恋しちゃうわ
近親相姦に近いようなものや、当時は非常に嫌悪されていた同性愛も出てきて小学生が読む本じゃねーな全く
どうなっとんねん!(お前だ)
まぁでもね、好きですこういうの
結果なんやかんやでハッピーエンドだし
ええやんええやん、ご都合主義
ヒロインのひとり語りの体裁だったり、金田一耕助あんまり出て来なかったりでシリーズの中ではかなりの異色作ですが、あたしゃ好きですよ
よし、次は『悪魔の手毬唄』行きます!(予定)
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いつもの金田一シリーズに輪をかけて愛欲金欲まみれのゲスなお話だなぁと思ったけど、一応それだけではない事情もあったみたい。ともあれ何でもありでツッコミどころ満載なんだけど、いつの間にかハラハラドキドキさせらせてしまうのでした。
それにしても、差別・偏見が酷い。ちょっと昔なだけでこんな感覚だったのだと知るだけで勉強になる。マイノリティは生きづらかっただろうな。