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日本を捨て(諦め?)マニラに向かう男たち、バンコクに沈没する男たちの青春、タイ北部メーホーソーンで見たタイ社会における日本人という存在、雪深いヒマラヤの冬、そしてアフガニスタンで消えた日本人の若者の話などなど・・・アジアの風景には原色という言葉がよく当てはまる!
本書を読んでいてそんなことを感じました。
本書のタイトルには‘辺境紀行’とありますが、アフガニスタン以外は、今となっては観光地化されている町も多く気軽に行けるところもあります。
それはそれで発展が行きつき、成熟した町の昔の情景を思い描けるので楽しいです。
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「アジア辺境紀行」2
編 下川裕治
出版 徳間書店
p309より引用
“紹介しているのは世間からは辺境と呼ばれる土地である。確か
に辿り着くことだけでも大変なエリアは多いが、そこに入り込ん
だ彼らは、一様にある種の癒しのようなものをその土地から感じ
とっていることだ。”
数々のライター達による、アジアの国々での出来事について書
かれた一冊。
フィリピンからアフガニスタンまで、普段自分たちでは行かな
い様な場所での日々について書かれています。
上記の引用は、あとがきの中の一文。
日常自分たちを取り巻いている雑事や人間関係から離れることで、
気持ちが落ち着くのでしょうか。しかし、行方不明になった日本
人の話も書かれているので、あまり安易に近づくのも考えものか
も知れません。
紀行文であるにもかかわらず、写真が一枚しか無いのは残念で
す。白黒でもいいので、各ライターの記事ごとに一枚ずつくらい
は欲しかったところです。
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京都納涼古本市にて目につき購入。
1980年代から90年代にかけてアジアの辺境を旅した日本人の紀行文が寄稿されている。旅人たちはアジアの不気味な暗澹たる世界に足を踏み入れ当時そこにあった人々の日常を体験し文章を通して読者に届けている。この本に出てくる土地のほとんどは観光地化が進み(文章中の記載でもすでに政策が進んでいるところもあった)今は当時のようなアングラな世界は広がっていないのかもしれない。同じように旅をして同じような光景を見れることはないだろう。しかしこの年代の紀行文というのはなんだか興味をそそられる。アジア特有の「暗さ」を強く感じられるのがこの時期なのか。。。そんなことで旅の好奇心を唆るには十分で、かつてはそうだったのかと思いに馳せながら土地に出向くような旅のきっかけの本になり得るかもしれない。