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シンクロシティの概念が、ウルフガング・パウリの電子配列の排他原理と関連があるとはおもわなかった。パウリはノーベル物理学賞を受賞した有名な学者だ。元素記号と周期表が高校の科学で教えられるが、それは電子配列の規則性を発見したパウリさんの研究の賜物なのだ。この高名な科学者とカール・ユングの共同作業でシンクロニシティの概念が生まれたことにまず一番驚かされた。
この本を読みすすめていくと、自然科学が現代思想だけてなく信仰の役割を果たしていることに気づかされる。学生時代にどこかで誰かが言ってた中で聞いたことあったような意味合いだが、今になってらその意味を知る。欧米人は、自然科学を自分たちで、生み出しただけに、その限界や誤認する可能性のことをよく知っている。しかしそれを追いつこうと必死にモノにしようととした日本人にはそのネガティヴな面の認識がほとんどない。自然科学の考察は万能でもっとも正しいという思い込みが、西洋人より強いように思う。
しかしながら現在の最良のツールであるともいえる自然科学の方法を踏まえて、次の時代を担う、認識もしくは把握することのできない概念を対象とするとき際の方法に関して、既成の方法論からの飛躍を成し遂げるためには新しいスキーマが多分必要てまあり、それは量子物理学や統一場理論で既に唱えられていることだが、その先行く場所に行くためのパラダイムシフトがどんな形で訪れるのかを予感させられる本だとおもう。