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電撃戦 グデーリアン回想録 上 みんなのレビュー
- ハインツ・グデーリアン (著), 本郷 健 (訳)
- 税込価格:5,280円(48pt)
- 出版社:中央公論新社
- 発行年月:1999.3
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紙の本
機甲(装甲)部隊、電撃戦という概念を創出した、プロフェッショナルなドイツ軍人の回想録
2003/07/10 21:05
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
機甲(装甲)部隊、電撃戦という概念を創出し、第二次世界大戦で実践してみせた、プロフェッショナルなドイツ軍人の回想録である。紙背から義務感にあふれ誠実な人柄がうかがわれ、理想的な軍人であったようにみえる。先見の明がある革新的な思想の持ち主は、どの国でも、どの分野でも、その考えを受け入れられず、苦労するようである。戦車師団の育成とその使用戦略戦術について、政府首脳(ヒトラー)や軍上層部の反対や抵抗にあい、その結果、実戦で苦労するという繰り返しであったようだ。華々しい戦果をあげたドイツ陸軍機甲軍団においても、実際は陋習を覆すことは困難であった。その結果が無惨な敗戦であったわけだ。日本帝国陸軍のダメさ加減は推して知るべしだ。
現在のビジネスの場においては、三現主義ということがある。現場で現物を見て現実的に考える、ということである。グデーリアンは軍団長、軍や軍集団の司令官になっても、戦場においては常に善戦に赴いては、戦況を自分の目で確認し、実戦場の意見をよく聞き対応している。戦史をよく読んでみると、ビジネスの場で参考とすべき教訓が多い。
また、政治面に関与せず、与えられた枠内で最善をつくし努力する誠実さは、軍人として立派であり、生き方にも共感をおぼえる。しかし、現在の経済的危機状態にある日本の企業に勤める者にとっては、それで良いであろうか。与えられた枠内で最善を尽くすのみではなく、その枠を壊し新しい枠組みを作ったり、その枠をこえることも、必要になってきているように思う。著者のグデーリアンは戦術の面では従来の枠組みを壊し、新しい枠組みを創出した。しかし、軍事を超えて政治の面でも、重要な時点でそのような行動をとっていたら、歴史はどうなっていたか、と想像してみたくなる。それは苛酷な要求だろうか。もしそうしていたら、この回想碌に溢れる人柄の魅力も、減少していたかもしれないが。
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