紙の本
ファンタジー♪
2001/09/10 12:57
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:TAIRA - この投稿者のレビュー一覧を見る
誕生日の日、学校帰りのスワンは3人の不思議な少年たちに出会う。同じ顔の彼らは、皆スワンを王子と呼び、スワンしか知るはずのない左手のキズのことを知っていた。自分たちをピエロだと名乗る彼らは、3人の中から1人を選んでほしいと言う。わけの分からないスワンは、人違いだと彼らを拒否するが、スワンの左手のキズからツルが伸びてきて…。
1章ごとにある、植物の説明が面白い。何世紀も後という設定なので、今生存している植物が絶滅していたりして、その絶滅の理由やその植物の名前の由来などを、フィクションとノンフィクションを混ぜ合わせて書いてある。この説明が、物語にあまり関係ないようで、大いに関係しているところがまた面白い。
予想とは異なるラストに、ちょっとびっくり。長野まゆみらしいファンタジー小説。
投稿元:
レビューを見る
装画:長野まゆみ
装丁:泉沢光雄
“ぼくは確かめたかった
王子が本当に幸福なのかを”(帯文より)
数有る長野作品の中で一等好きなおはなし。
とにかく皆が切ない。
投稿元:
レビューを見る
漫画の耽美系のSFの原作みたいな作品。若かりし頃に読みふけった竹宮恵子・萩尾望都を彷彿とさせる。単語の漢字にした時の当て字がいかにもその世界観を描いてます(苦笑)
投稿元:
レビューを見る
洋書風の装丁の可愛さに惚れ惚れ。中身もリアルに想像すると怖いけどファンタシーに脳を向けたらすっごく可愛いお話です。長野ビギナーにも読みやすいかと…。
投稿元:
レビューを見る
長野まゆみの初期作品の中で、1,2を争う位に好きな作品です。元々、「天体議会」から入った人間ですので、「超少年」の様なちょっと不思議くらいの話が好きなのです。3人のピエロと王子の関係が好きですね。このころはまだ、曖昧なぼかし方をした、本当に宙を浮くような幻想的な雰囲気が良く出ていた気がします。
投稿元:
レビューを見る
「…莫迦だな,泣くのに理由なんて要らないんだよ。」
スワンがピエロ-αに言った台詞がどうしようもなく好き.
それにしても,2・3言しか放さなかった王子はなぜあんなにも存在感があるのだろう(w
投稿元:
レビューを見る
行方不明になった王子を追って、ピエロと名のる3人の少年がやって来た。王子の機能が覚醒すれば・・・きみはもう、そのまま目醒めることはない
投稿元:
レビューを見る
世界観が凄くて、独特で、不思議。
身体のいろんな場所から植物がはえてくるって設定が面白いです。(実際想像したら怖いけど)登場人物の名前も瞳の色や髪の色の表現も素敵。αとかβとかγとか。
長野さんの作品の中でも主人公に凄く好感が持てる作品だと思います。スワンの喋り方が好き。あと、少ししか出てこない王子の存在感が凄い。ラストの終わり方も結構好きな方です。
またゆっくり読み返そうかなぁ。
投稿元:
レビューを見る
あああ、なんていうんでしょうか。
装丁の色彩のヴィヴィッド具合から好きです!
暗号のようなアルファベットに、特有の世界設定が長野さんらしい一冊です。
主人公はいつものように知らぬ間に受難ですね・・・w
投稿元:
レビューを見る
http://tukiyogarasu.blog80.fc2.com/blog-entry-80.html
投稿元:
レビューを見る
表紙がかわいかったのと、古本屋で安く売っていたのとで、ぱっと内容も見ずに買ってしまったのだが、
なんだか難しそうな言葉が並んでいたのでしばらく放置していた。
「千年王子」を読んだあとだと、どーってことないレベルのSFだったんですが;
…相変わらず設定が妖しい(笑)
でも、美しかった。次々と書き出される花の名前に、想像が膨らむ。
体のあちこちから発芽する、という姿は、少し切なくて、色っぽくて、心臓がドキドキした。
ピエロαと、スワンが抱き合うシーンでは、思わず目を閉じて、情景を映してしまった。きれいだった。
本当に、真白なキャンバスの上に、点々と淡い絵の具の花を咲かせたような本だと思う。
絵にして額縁に飾りたい。
投稿元:
レビューを見る
身体から植物が生える体質の主人公の前に現れたのは、自分を記憶喪失の王子と呼び、自分には理解不能な話をする同じ顔をした少年達。
素直じゃない少年達の交錯する好意と、同じ顔をした複数の人間と記憶喪失を通して自分とは何か、問い続ける作品。
繰り返し語られる希少な植物の話、人の身体に花咲く植物、眠り続けることなど、長野らしい美しい言葉が話を飾る。
投稿元:
レビューを見る
終盤の情景がものすごく綺麗で、長野作品を好きになったきっかけの本。
植物を育てる土壌の発想は、多分この人しか思いつかないと思う。
投稿元:
レビューを見る
その世界は音楽が流れ消えゆくように儚く美しい。
読み手に無限の空想を抱かせる作者のこちら側の作品は、やはり作者でしか描けないただひとつの世界なんだなーと改めて実感。
投稿元:
レビューを見る
自らの身体で植物を培養する ”両生類” の ”王子”、
”王子” の随伴者 ”ピエロ”、
”王子” と ”ピエロ” の交感 ”同調(シンクロ)” 等々…
設定とコトバにいつもながら萌えた。