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オカルティックなミステリなのかと思っていたがさにあらず。幽霊騒ぎを中心に、舞台であるパラダイン館の人々および主人公たちの人物造詣に力を入れた作品だった。ただ怪奇現象に対して恐れるのではなく、しっかりと知性的な目で見ようとする主人公が描かれていていい感じ。
もちろん眼目である怪奇現象の謎解きも必要十分。むしろ他のミステリよりも怪奇現象が現実離れしていない分だけリアリティを持って感じられる。またその裏に隠された思いもすばらしい。
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作者唯一の長編ミステリ。
が、ディクスン・カーほど徹底せず、中途半端(後書きの方はカーと見間違うほどだとおっしゃってますが)わりと早くに誰がこの騒ぎを起こしてるか、推察でき、探偵の女性との絡みも、なんの意味があるのかよく分からない。「幽霊」が多すぎるというよりは「テーマ」が多すぎる。
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ポルターガイスト、尼僧の亡霊、鍵をかけた部屋でひとりでに曲を奏でるハープ・・ミステリー度満載なのだけど、どこかクスリと笑ってしまうギャリコらしいハートウォーミングな作品。
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昔、とてもよく読んだ作者。夢中になって読んでいたのに、ある時からすっかり遠ざかってしまっていた。
本屋で見かけて久しぶりに手にしたのだが、懐かしい香りがしてきた。どの人もみんな悪い人じゃなくて、何か一生懸命で不器用だ。ほほえましい気持ちになりながら読むことができた。
ミステリ仕立てというよりも、ディクスン・カーばりの本格ミステリである。オカルトちっくな雰囲気が入ってくるあたりも、カーによく似ている。謎がそれなりに論理的に解決していく感じもなかなかいい。ただ、ミステリとして考えれば、謎解きのやり方も、解明する真相も、もうひとつすっきりいかないところがあるようだ。
とっても楽しかったのは確かなのだが、なかなか入り込みにくく感じてしまったのも確かである。なぜだろう。こちらの心に、昔のようなゆとりがなくなってしまっているような感じがするのだ。
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ポール・ギャリコは「スノーグース」が大好きです。
最初は「トマシーナ」「ジェニイ」「猫語の教科書」など、猫好きのため読み始めたのですが、「スノーグース」でそれまでとは違った感覚を得られました。
そしてこの「幽霊が多すぎる」は推理小説なのでまたもや驚きました。
そしてポール・ギャリコがまたもや好きになりました。
貴族のお屋敷で起こったポルターガイスト現象を解明するために、心霊探偵が訪れて、次々とそのトリックを暴いていくのです。
登場人物の背景や行動、それに心理を主人公と探る感覚がとても面白かったです。まさしく推理小説なのです。
主人公の人物は頭脳明晰の好男子かと思いきや、女性に弱いという弱点があり、それもまた好ましいです。
ポルターガイスト現象、心霊関係の記述も詳細で、現代ののインスタントな心霊的な話も一蹴できそうでもあり興味深いです。
惜しむらくは、当然ですが人物の名前が全員、カタカナで長い。そして沢山。
私には名前を覚えるのに時間がかかりました。(見返しに列記されているのでそれを時々見直していたけど)
主人公のヒーロー(姓)もアレクザンダー(正式名)、愛称でサンドロ、アレックスと変化するし(これはまだわかりやすいけど)
~~夫人も、姓と名と時々によって名前が変るので、こういうのがサクっと頭に入らないので自分の頭が残念です・・・
余談
ギャリコは「ポセイドンアドベンチャー」の原作者でもあるし、「トンデモネズミの大冒険」も書いている。多彩な人なんだな~と思います。映画化されて成功したとwikiにかいてあるし。この話も映画やミュージカルにいいのでは?と思うな。視覚で登場人物を捕らえたほうが面白いし、ポルターガイスト現象を見るのも種明かしもいいのでは?と思う。でもこういう推理小説はもう使い古されたのかな?
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ギャリコの作品は今まで「ハリスおばさんパリへ行く」しか読んだことがなかった。ユーモラスで優しくはあるけれど、一方で驚くほど人生の皮肉と哀感を描く作家でもあるのだな、という印象だった(ご都合主義とも言えるような楽しい展開で油断していると、痛烈なパンチで胸をえぐってくるような)。
この作品では、貴族の館で起こった幽霊騒動をおさめるために、心霊探偵アレグザンダー・ヒーローが捜査をするのであるが、巧みな性格描写で形作られた登場人物がいかにも!な感じ。
友情出演か、ハリスおばさんが思いがけなく現れたのでちょっと嬉しかった。ヒーローくんは気が多すぎて身から出た錆。メグが一番魅力的なのに、困ったもんですね。
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12歳の少女から他人の奥さんまで次々に好かれる(自覚的。ただしメインヒロインの義妹に対しては鈍感)男性探偵が主人公のハーレムミステリ。ってコレなんてラノベ?
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http://shinshu.fm/MHz/67.61/archives/0000432833.html
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これ一冊で終わるのが勿体ない、シリーズ化して欲しかったミステリでした。この時代から、ポルターガイストには子供が深い関わりがあることは知られていたのね。真犯人に一番同情した。恋愛模様が面倒くさすぎ。
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【古本屋で購入】
ミステリーか?確かに犯人探し、その動機とトリックを追うのだけど、あまりひねったところもなく、主人公ヒーロー氏(!)の大活躍というわけでもなく。
色々な登場人物達がワイワイ駆けまわったり、騒いだり、恋愛模様も淡く・華やかに(?)、顔を青くしたり、白くした利、赤くしたり、深刻にならず騒動を傍観者として眺めている感じ。
なお、原題のページが『Too Many Chosts』となっています。
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東京創元社2019年復刊書目の1冊。
ポール・ギャリコと言えばミステリのイメージは全く無いが、本書は著者が唯一残した、本格ミステリ長編とのこと。
内容としてはかなりオーソドックスな本格もので、幽霊屋敷やポルターガイストといったオカルト的な要素が雰囲気とよく合っていた。
ミステリとしてはこれ1冊しか無いというのが惜しい。主人公の活躍をもっと見たかった。
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久しぶりにポール・ギャリコの本を読んだ。本当に久しぶり。スノーグースとか雪のひとひら、ジェニイを読んだのは20年近く前じゃないか。。。
復刻ミステリとの帯が付いいて、復刻するくらいだから面白いのだろうと目を止めたら作者にギャリコとある。ギャリコのイメージは先の3冊だったから「ミステリ?」と不思議に思って手にとってみた。
結果。結末や展開が気になって一気に読んでしまった。。。
あまりにイギリス人気質の根にあるものが書かれてるので、作者はイギリス人かと思ってしまう。でもそうじゃないから分かるってことなんだろうなあ。
主人公に好感が持てて、楽しく読めた。またギャリコの世界に触れたくなったけど、手に入るかな?
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ミュージカルか舞台の原作だったかな?と思い違いしちゃうような、ミステリー。
陰惨なシーンがないのも、沢山の人の思惑が絡むのも面白い。
シリーズ化ならなかったのか、映像化、舞台化されてそうなのに?とも思う。
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以前からタイトルがかわいいな〜と思っていたのと、最近ミステリばっかり読んでいて、この本が本格ミステリと紹介されていたので手に取った。
読む前はわくわくミステリホラー小説だと思っていて、館で次々と起こる怪奇現象…という序盤の流れは期待通りだった。
でも読み終わってみると、人間の群像劇ど真ん中みたいな作品で、この読後感がとても意外で面白いな〜という気持ちになっている。
主人公のヒーローはとても魅力的な主人公なのに、シリーズ化しなかったことが意外だし残念。
あらゆる女性にモテまくってその度になびいてしまう姿は読んでいて面白かったのに!
というかむしろ怪奇現象の種明かしより人間模様の方が気になってた!!
本格ミステリと言われて手に取ると肩透かしをくらうかもしれないけど、ドラマを見るのが好きな人は好きかもしれない。
私はけっこう好きだった。
メグがかわいい!
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初のポールギャリコ。ポセイドンアドベンチャーの原作者なんですね!
本作は、幽霊騒ぎが頻発する屋敷へ、心霊探偵が調査しにいく話。登場人物は多いが、みんな癖が強く、キャラクターがよく書き分けられている。15人以上いるのに、一人一人存在感があるのがすごい。
幽霊騒ぎのそれぞれのトリックは、説明されてもいまいちピンとこなかったが、愛憎入り乱れる人間関係や、ほっこりする終幕は、読んでいて楽しかった。