ＧＴＯウルトラ読本 グレート・ティーチャー・オニヅカ ＴＶ・コミック解体新書 みんなのレビュー

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者：いえぽん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　週刊少年マガジンで連載されていた大人気漫画ＧＴＯは、メディアミックス化を進めていく中で、より広いファン層を獲得することに成功しました。具体的には、ヤンキー漫画、学園漫画を好む、少年・少女層の支持を維持したままで、実写のドラマや映画が好きな一般層を取り込むことができたのです。メディアミックスの過程で、原作のファンを離れさせてしまうようなケースも少なくない中で、ＧＴＯが生み出した現象は、一種の「事件」として語られるべき内容だったと言っても言い過ぎではないかも知れません。
　本書は、ドラマ版のＧＴＯの分析に主力を置いています。ドラマや映画をモデルにした謎本の数は、比較的少数なのですが、この一点だけを見ても、ＧＴＯがいかに人気を博したかがわかります。
　ドラマ版は、漫画版を、かなり大胆な形でアレンジしているため、ドラマを見たことのある人はもちろん、漫画で読んだよ、という方も、新たな驚きをもって本書を読むことができると思います。（逆に、ドラマ版だけを見た方が、コミックの内容を知るには、情報不足で少し物足りないかも知れません）
　ちなみに、本書には、次いで公開された映画版の下敷きになったノベルズ版の記述もあります。いくら人気作品であっても、ノベルズ版までをフォローする謎本はほとんど無いことから考えて、この一点だけでも、謎本ファンにとってはレアと言えるでしょう。文章も平易で読みやすく、新しい知識を簡単に得ることができる、優れた謎本だと評価することができます。比較的熱心なファンだった方にも、おススメできる一冊です。