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異種移植 21世紀の驚異の医療 みんなのレビュー

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紙の本

わかりやすい

2003/01/08 01:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まつ - この投稿者のレビュー一覧を見る

移植の歴史から異種移植の最先端にいたるまで丁寧にわかりやすく書いている。自家移植(自分の体の組織を他の部位に移植)が紀元前から行われているなんて知らなかった。
 移植というと拒絶反応の話が中心になるのが普通だが、著者はウイルスの研究者だから、異種移植のドナーの中心になるであろう豚の臓器からどんな感染症が問題になるのか詳しくて参考になった。普段肉屋で目にするSPF豚が移植にも使われるとは…。

 もちろん「移植」である以上避けて通れないのは「拒絶反応」。拒絶反応には超急性拒絶反応、急性拒絶反応、慢性拒絶反応とあるが、予防できるのは超急性拒絶反応である。これには補体といわれる血中成分が関わるのだが、豚の臓器が移植されてもこの補体の起こす反応を阻止しようというのが現在の戦略である。

 加えてこの本のミソは著者が獣医出身であることではないだろうか。だから後半は動物福祉といった医者だったら多分ほとんど触れないであろうトピックにページを割いている。動物実験に用いる動物にもできるだけ苦痛は与えない、これは欧米の実験施設では当然のように考えられているけれども日本の動物実験においてはほとんど問題にされない。動物実験についての国際原則−3R(Replacement置換、Reduction使用動物の削減、Refinement洗練)なんて初めて聞く言葉だった。一回くらい授業でやったって良さそうなものなのに…。早いところ整備しないとイギリスのように訳わからない反対団体に爆弾攻撃されるのではないかとちょっと心配。

 ちなみに参考文献がしっかり書いてあるところがすごくありがたい。これで調べようと思えば簡単に調べられるというもの。 

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紙の本

異種移植にまつわる問題の把握ために

2000/12/17 09:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:青木みや - この投稿者のレビュー一覧を見る

 日本では脳死による臓器移植が行われ始め世間的に公認されつつある。しかし期待に反してドナー(提供者)は少ない。逆に脳死による臓器移植が法制化されたことで、献体腎のドナー登録(腎臓は2つあるので、生者からの提供が可能)が少なくなったとさえ言われる。ドナー不足は世界的に深刻で「人体部品ビジネス」と化しているのが現状だ。
 その根本的解決策として脚光を浴びているのが、人に動物の臓器を移植する「異種移植」である。本書は異種移植に関する様々な話題や問題点を取り上げ、まとめたものである。著者は内容について「社会へのインフォームド・コンセント=一般社会に対するわかりやすい説明」と述べているが、確かに的確に要所を絞ってあり、また非常に文章が達者で読みやすくわかりやすい。
 異種移植のレシピエントとして有名なのは、1984年10月26日のアメリカでヒヒの心臓を移植された「ベビー・フェイ」である。移植医療では常に先頭を切っているアメリカでもこの手術に対する反応は凄かった。称賛の声だけではなく批判や疑問の声が当然上がる。
 問題となったのは、倫理面(生命倫理/科学的観点)、動物福祉、社会的影響(ドナー動物への人の遺伝子導入)、人畜共通感染症の拡大(感染リスク)。これらの事柄は慎重に検討され、様々な報告書が出されている。
 異種移植のドナー動物としての選択条件を考慮して選ばれたのが、豚だ。
 臓器移植の場合に問題になるのが免疫系による「拒絶反応」である。豚の臓器を人に移植する「遠縁間の移植」場合は、移植後の数分間で急激な拒絶反応が起きるが、そのメカニズムはほぼ解明されている。移植に適するように外部から遺伝子を人為的に導入したトランスジェニック動物を開発する会社も増え、成績も良好であるという。異種移植は現実として目の前に存在し始めたのだ。現実として動物の身体を借りて医薬品を作る「動物製薬工場」や異種移植は進んでいる。体細胞クローニング技術が向上すれば尚更であろう。動物の福祉という観点の議論が望まれている。
 臓器移植を望む患者の真摯な声を考えると、異種移植に関する問題の把握がきちんとなされている本書は非常に貴重である。

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