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"慰安婦強制連行説"と戦後に蔓延した"自虐史観"への反論、それらに代わる新しい近現代史像を模索した藤岡氏の「汚辱の近現代史」が出版されたのは平成八年である。同年に「新しい歴史教科書をつくる会」が発足し、教育界に新たな潮流が生まれた。それから三年。果たして教科書は変わったのであろうか?本書は「呪縛」をキーワードに著者が関わってきた歴史認識と教育を巡る闘いの足跡をまとめたものである。
本書は三つの章で構成される。第一章は小学校の歴史教科書を学習指導要領を基にしての格付けを試みる。その自虐ぶりに驚かされる。そして現行の採択制度の説明と、採択の権限をもつ教育委員の職務権限が侵害されない採択手続きの具体的提案。第二章では東京都平和祈念館をめぐる問題を取り上げる。この祈念館の展示計画は左翼勢力によって著しく自虐色の強い、偏向したものになる予定であった。心ある
都議会議員の異議によってブレーキをかけられたが、未だに決着をみていない。
第三章は東南アジア三ヵ国と、太平洋の親日国・パラオの旅行記だ。各国の要人との
面会によって、歴史に新しい目を開かせられる筆者。真実の歴史がここにある。