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紙の本
訳者は役者
2002/12/18 10:02
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投稿者:katu - この投稿者のレビュー一覧を見る
むかし、ミステリー雑誌「EQ」をよく読んでいた頃、掲載されている短篇のうち1つは必ず深町眞理子の翻訳だった。翻訳の上手い下手は覚えていないが(覚えていないということは上手かったんだろう)、名前は頭に刻まれていた。その深町眞理子のエッセイ集である。
翻訳関連の話はもちろん、独り者の著者が弟の息子(高校生)を一時預かることになって当惑する話など、内容はなかなか興味深いのだが、いかんせん繰り返しも多い。こういう長年にわたって色々な媒体に発表してきたエッセイをまとめたものの常で、ある程度は仕方がないのだが、「訳者は役者」であるという持論や「アンネの日記」関係の話などがあちこちに出てくると、「もうその話は分かりました」という感じになってしまうのだ。
裏表紙側から横書きで始まる「フカマチ式翻訳実践講座」が収録されているのが本書の特徴だ。「実践講座」と銘打つだけあって、細かいテクニック満載である。これは文芸翻訳を目指す人にとっては参考になるだろう。
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