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八世界シリーズは良いなあ。壮大な背景、クローン、性転換、身体改造etcとアイデンティティーの問題、”ディズニーランド”に代表される情景の美しさが絶妙に溶け合っている。お気に入りは「さようなら、ロビンソン・クルーソー」。
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やはりこの世界と自分が全く相関していない感覚がヴァーリィのモラトリアム系SFの根底をなしてる。それが恋人や友人や家族との触れ合いに行くのが特徴。サイバーパンク後はこの距離感は個と個の情報のやり取りに繋がる。その意味ではプレ・サイバーパンクと見るのも微妙かもしれない。
ヴァーリィのモラトリアム系SFは、ポストヒューマン的な設定なのに、根っこの精神に残る人間らしさが気持ち悪くなっちゃう。時代の問題か。逆に有機的な設定と宇宙を結び付けた設定の話が好き。
個々作では、「イークイノックスはいずこに」と「ピクニック・オン・ニアサイド」が良かった。
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◆◆ ベッドでミステリー ◆◆ 第三十八回
・・・ 第三十八回 「バービーはなぜ殺される」 ・・・
最近の化粧を見ていてそのあまりのうまさに驚く……。
変身、通り越して別人じゃん!
というわけでこの本を思い出しました。
ジョン・ヴァーリィのSFミステリー短編集です。
タイトルの“バービー”は、近未来世界で、競争に疲れはてた人たちが作り出した新興宗教の話です。
その宗教では、差をなくすために、同じ身長、同じ顔になるように外科手術!!
をする……。
なので、そのエリアには同じ顔した人たちがうじゃうじゃいるのですが、そのなかの一人が殺される。
しかし彼らは“私は”で話さない……必ず“私たちは”で話すので、まず、誰が殺されたのかすら突き止めるのに骨が折れることになって、担当した刑事は頭を痛める、というものすごく斬新で面白い話なのですか、初めて読んだ私が愕然としたのはそこじゃなかった。
“外科手術で!?”
アメリカ人は変身するのか……?
しなきゃならないのか?
だってだって、日本の若い子なら……手術いらないよねぇ、そんなことしなくてもそっくりだよね?!
ということに気がついて、これって世界的には異質なことなのか?
に愕然としたのです。
でもって、なんで彼女が殺されることになったのか、はあーー、なので、気になった人は読んでみてね。
たぶん今ごろは図書館の書庫だろうけど、探せばどっかにはあるよ。
2018年11月06日