紙の本
心理描写が深い
2002/01/19 12:18
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投稿者:がんりょ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ティム・バートンの映画にはがっかりだったが 昔感動した旧版の原点を知っておきたくて読んでみた。
一緒に遭難した恩師の変わり果てた姿を動物園で目撃するエピソードなど、主人公の心の動きが細かく描写されていた。より深く、文明ってなんだろうと考えさせられた。
原作、旧版、新版で、旧版のエンディングが一番よかったと感じたのは、一番最初に見たせいか。
紙の本
猿の惑星といいながら
2015/08/26 18:30
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投稿者:bookmaker329 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1968年から昨年まで、作られ続けている猿の惑星に触発されている映画シリーズ。私も映画を見てから原作を手に取った。
いろいろなところから原作者のピエール・プールは第二次世界大戦で日本軍の捕虜となって、その体験が「猿の惑星」「戦場にかける橋」に。映画化もされ有名な作品を2作も書くことになったというのは驚きである。
まず、この小説の猿は車も運転するし、フランス語も理解していく。原作はフランスの宇宙飛行士が猿の惑星に不時着するのである。ユリッス・メルー=テイラーという役どころ。他にジラ=ジーラ、コルネリウス=コーネリアス、主要人物(猿物)の設定にそれほどの違いがあるとは思えなかった。
問題は、漂流している封蝋された瓶の中の手記を読んでいくという設定。ちょっと厳しいなあと感じた。大まかなストーリー1968年版よりもティム・バートン版のほうが近いと思った。
映画の猿の惑星は1968年版のロッド・サーリング(トワイライト・ゾーンなどの脚本やホスト役で有名)の脚色した衝撃的なエンディングに初見は愕然とするのであるが、この原作小説でも文章だけに許されるオチがあるので、楽しんでいただきたい。
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小学生の頃、自分のお小遣いで買い求めた初めてのSF文庫本。
作者は『戦場に架ける橋』のピエール・ブール。
チャールストン・ヘストン主演の映画版のラスト・シーンは衝撃的であったが、
小説版のラストは映画を遥かに凌駕する。
『猿』は何の暗喩なのか、御自身で確かめて頂きたい。
# 著者のピエール・ブールさん、
# よっぽど日本人がお嫌いだったのだろうなあ ...
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リメイクとかあると見つけやすくなって嬉しい。
映画を見る前にオチを母からネタバレの
悲しい過去を思い出す。(あのラストシーンを言うか?普通)
□□□□のことは映画と大きく異なる。
そのためオチも映画と異なり2段階。
哲学的風刺と解説にあるが、映画ベースで
そんなに考えて読まなくてもよいと思う。
というより、物語が読みやすくてあまり考えていなかった。
いずれにせよ、映画のオチも小説のオチも既に知っているから
もう一度別の読み方をするのは難しくない。
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「ピエール・ブール」のSF作品『猿の惑星(原題:La Planete des singes、アメリカ:Planet of the Apes、イギリス:Monkey Planet)』を読みました。
先日、映画『猿の惑星』を観て、原作を読みたくなったんですよね。
-----story-------------
恒星間飛行を実現した人類は異郷の惑星で驚くべき光景を目にする。
この星にも人間種族は存在したのだ。
だがここでの支配種族は何と、喋り、武器を操る猿たちであり、人間は知能も言葉も持たぬ、猿に狩りたてられる存在でしかなかったのだ。
ヒトは万物の霊長ではない。
世界中で絶大な反響を呼び、余りにも有名な映画の原作となった問題作。
2500年、太陽系の探索を終えた人類は、初の恒星間飛行を企てた。宇宙船に乗りこんだのは、計画の立案者にして探検隊のリーダーである「アンテル教授」、若い物理学者「アルチュール・ルヴァン」、ジャーナリストの「ユリス・メルー」の三人だ。
二年後、ようやく到着したベテルギウス星系には地球によく似た惑星があった。
軌道上からの観察で、惑星には文明をもつ種族が住んでいると判明する。
だが、着陸した三人がそこで見たものは。
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1963年に発表されたSF小説… 1968年に公開された映画版があまりにも有名な作品ですね、、、
当時、映画公開のタイミングに合わせて日本語版が出版されたそうです。
子どもの頃から映画版を何度も観ているので、その映像イメージが強く、先入観を持って原作を読んだのですが、、、
意外とちゃんとしたSF作品になっていて、映画版よりもリアリティがあり、愉しく読めましたね。
大きな違いは、
○猿と地球人(フランス人)は使用する言語が違う
…映画は双方とも英語でしたね
○クルマや航空機、猿工(人工)衛星まで持っている
…映画は馬車しかなく、紙飛行機に驚いていましたね
○街並みは地球の都市のようで、服装も多種多様
…映画は独特のデザインな村風で、同じ服装でしたね
○人間は真っ裸
…映画では真っ裸は難しいですね
○主人公(映画では「ジョージ・テイラー」、原作では「ユリッス・メルー」)と「ノヴァ」の間に息子「シリウス」が誕生
○そして、宇宙船を操縦し親子三人で地球に生還
…映画では二人が馬に乗って仲睦まじく旅立つシーンで終わってますもんね
というあたりでしょうか。
映画版と原作、一万年前に猿が文明を築く前に、人間の文明があったという展開は似ていますが、、、
エンディングは全く違っていましたね… 映画版の方が直感的にわかりやすく、衝撃的なエンディングになっていますが、原作のエンディングも、これはこれで良かったですね。
そして、本作品の中で、猿に信じられている人間の知性が発達せず、猿の知性が発達した理由、、、
「サルは四本足によって知性が発達した。
四本足によって巧みに木に登ることができ、物事を空間的に把握することができ、知性が発達した。
しかし人間は大地の呪縛から逃れることができず、知能の発達が止まってしまった。」
という説は、なかなか面白かったです。
そして最後に、、、
本作品は、第二次世界大戦当時、原作者「ピエール・ブール」が仏領インドシナにて有色人種の現地人を使役していたところ、同じ有色人種である日本人の軍の捕虜となり、1年半の収容所生活を送ったという"立場の逆転"した苦い経験を基に描かれたとされる説もあるそうです。
事実の真偽はともかく、、、
人間が怠け者になり、使用人代わりに使っていた猿が人間の文明を模倣して逆に人間を支配するようになった… という、一万年前に人間と猿の立場が逆転した際のエピソードは、勤勉な日本人の姿に対して感じた脅威がヒントになっているのかもしれませんね。
以下、主な登場人物です。
「ユリッス・メルー」
地球人、有能な新聞記者
「アンテル教授」
地球人、物理学者
「アルチュール・ルヴァン」
地球人、アンテル教授の弟子
「ノヴァ」
原始人間、若くて美しい女性
「ジラ」
牝チンパンジー、生物学者
「コルネリウス」
牡チンパンジー、生物学者、ジラの婚約者
「ザイウス」
牡オランウータン、生物学者、生物研究所主任