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紙の本

ダーウィンの自然選択説を批判し、世界に先駆けて「棲みわけ理論」を提唱した今西錦司の進化論

2000/07/18 09:15

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投稿者:挾本佳代 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 今西錦司氏は日本が誇る生態学者であり、人類学者である。彼は、生物種が棲みわけることによって形態を変化させながら進化し、その種全体を自然界の中で存続・維持させていくという「棲みわけ理論」の提唱者であり、同時に霊長類研究の先駆者でもある。本書はその今西氏の進化論を平易な言葉で存分に知ることができる一冊である。というのも、ここには講演録が多く収録されているからだ。だから進化論にまったくなじみのない人でも恐れることなく読み進めることができる。

 今西氏が主張した進化論は、『種の起源』の著者ダーウィンのものとは一線を画すものであった。ダーウィンは生物を個体レベルでとらえ、個体がランダムに突然変異を起こすという論理を基礎とした進化論を提唱していた。それに対し、今西氏は生物を種レベルでとらえ、種全体が方向性をもった突然変異を起こすという論理を基礎とした進化論を主張した。本書でも繰り返し主張されている通り、これが両者の進化論の決定的な違いである。ダーウィン以後150年が経過した今日、生物進化は種レベルで捉えるのが常識となっている。私たちは進化論における今西氏の功績がいかに大きかったのかを知らされる。

 進化論的発想にもとづいて、彼が現代社会批判を行った講演録も収録されている。この講演は今から20年以上前に行われたものであるが、その物質文明に対する批判は今日にも通用するものであることに驚かされる。今西氏にとって現代社会における物質文明の高まりは、「過適応」の結果、生物が生き延びていくためだけに必要な身体構造以上に進化させてしまった、マンモス象の牙や鹿の角のようなものであった。マンモス象や鹿は、大きくなりすぎた牙や角を支えるために、その他の身体構造もそれに釣り合わせて大きくしていくしかなかった。しかし、もし牙や角の増大に合わせて、身体構造の進化がついていかなかった場合はどうなるのか。その時は、牙や角が命取りになるのではないか。そうだからこそ、マンモス象は絶滅したのではないか——。自らを「人類滅亡論者」と言う今西氏の苦言を、いまこそ私たちは真摯に受け止める必要があるのではないだろうか。

 本書は平易な言葉で進化論が語られているという利点があるが、もう少し今西氏の「棲みわけ理論」を深く知りたい方には手軽なところで「平凡社ライブラリー」に収録されている『生物社会の論理』をお勧めする。カゲロウの幼虫の形態観察から、彼がこの理論を導出するまでの理論過程を知ることができる。 (bk1ブックナビゲーター:挾本佳代/法政大学兼任講師 2000.07.17)

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