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金鉱町のルーシー Luckey Diggins みんなのレビュー
- カレン・クシュマン (著), 柳井 薫 (訳)
- 税込価格:1,540円(14pt)
- 出版社:あすなろ書房
- 発行年月:2000.6
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紙の本
赤毛のアンや大草原のちいさな家が好きな人に
2002/03/02 09:45
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
父の死と共に金鉱掘りの町ラッキーディギンズ(幸運掘り)に移住してきたウィップル一家の物語。主人公は読書や手紙を書くことが好きな十二歳の少女、カリフォルニア・モーニング・ウィップル。母の気まぐれな決断によってラッキーディギンズに移り住むことになったが、がさつで汚らしく、読む本もないカリフォルニアが大嫌い。
「冗談じゃないわ!」と手始めに忌まわしい西部を思わせるようなカリフォルニアといった名前を「ルーシー」に改名。母の始めた下宿屋の手伝いをしながらも、金鉱掘りの男達にピザを売り帰宅資金を貯蓄。暇があれば大好きなおじいちゃん、おばあちゃん宛てに手紙を書く日々。と、なんだかんだ新しい環境の中でめげずに生きる少女の姿がいきいきと描かれている。
ルーシーや母を含めて登場人物が皆バイタリティに溢れていて前向き。表紙の絵やタイトルから悲壮感が漂う暗い物語を想像していたけれど大間違い。母と娘のやりとりもユーモラスだし、物語の中に登場する手紙の内容もユニーク。ノンフィクションを読んでいるような気にさせられました。大草原のちいさな家や赤毛のアンなどが好きな人におすすめ。読んだ後に心が元気になるような、そんな一作。
紙の本
カリフォルニアへ行こうよ♪カリフォルニアへ行こうよ♪カリフォルニアに行って、幸せつかもう♪
2000/08/01 11:30
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投稿者:エーミール - この投稿者のレビュー一覧を見る
12歳の少女カリフォルニア・モーニング・ウィップルは、1848年の秋に父親と妹の一人が肺炎で死んでしまうと、カリフォルニアの金鉱で大儲けしようと夢みる母親につれられて、妹弟たちと共に、金鉱町ラッキーディキンズ(幸運掘り)へやってきた。
「歴史も文化も教養もある」東部から、「学校も図書館もない、ほこりっぽい」町へ来た
ことが、カリフォルニアにとってはいやでたまらない。
しかも、そこが、両親があこがれて娘の名前にまでしたカリフォルニアなのだ。カリフォルニアは自分の名前もいやでたまらない。
ある日(1849年の夏)、ルーシーと名前を変えることを自分で決める。ルーシーは東部によくある名前で、アボット作『従姉妹ルーシー』から思いついたものだ。
生まれた時に自分で名前をつけるわけにはいかないから、親かまわりの大人がつけるわけだが、自分で考え自分で選び取った名前には魔力があるのかもしれない。
作者カレン・クシュマンは、2作目で1996年のニューベリー受賞作品である『アリスの見習い物語』でも、「改名」を内面の大きな転機のキッカケとして設定している。
名前を自分で選びとった時から、少しずつ「生きること」を本当に考えるようになるという点が共通している。そこに、カレン・クシュマンの人生哲学を垣間見る気がする。
よく、孤島に持っていく一冊は?という質問があるけれど、本好きで、それまで図書館で借りて沢山本を読んでいたルーシーが、金鉱町に持ってくることのできたのは、学校のつづりコンテストでもらった『アイヴァンホー』一冊だけだった。
訳者あとがきに、著者は西部劇映画にも「大草原の小さな家」にも描かれなかった知られざる西部を描いた、とある。当時の生活はこんなだったのかとノンフィクション的にも読める本だ。
冬の雨の日に「ガラガラヘビのジェイクのバラード」を聴かせてもらうシーンがあって、印象的だが、この本も原題は『THE BALLAD OF LUCY WHIPPLE』ルーシーのバラードなのだ。
やっぱり女は強いなぁーと思わせる本だし、本好きの人には嬉しい本だし、なんといっても、この本からは、人間が本当に生きようとするときのとてつもないエネルギーを感じとることができる。
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