- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
ネット・フロンティアの攻防 eビジネスに法の網はかけられるか みんなのレビュー
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |
紙の本
今一番知りたい,インターネットで起きている事件や出来事を,TVニュースのように紹介した生きの良い傑作
2000/12/01 21:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:菅谷 秀明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年の正月,2000年問題でコンピューター関係者がまさに眠れない夜をすごしたことは,印象的な出来事だった。同じように,21世紀に向け新しいインフラとして登場したインターネットは,その鮮烈な登場と共に,予想もしなかったさまざまな問題も呼び起こしている。
本書は,気鋭の学者弁護士である著者が,その豊富な法的知識と語学力を生かし,今,インターネット上で実際に起きている「ビジネス特許」「サイバーテロ」「ハッカー」「海賊サイト」「プライバシー」「著作権」「ドメインネーム」「フェイクサイト」…などなど。これら数々の問題を,水先案内人よろしくジャーナリスティックに紹介している。
eビジネスの書籍というと,とかく先進国である米国にフォーカスしがちだが,本書は,世界各国にまでステージを広げている点が顕著である。そして,問題点を各国の文化的背景を踏まえてとらえ,インターネットが1地域や国の問題ではなく,国境を超えて波及することを念頭におかねばならないことを,事例や比喩を交え,わかりやすく解説している。そのため,その解決に当たっては,企業防衛・企業利益を目的にした手法にかたよらず,生活や文化が密接にからみ,生活者そのものの営みを大切にしていく基本原則こそが,最も重要である点を痛感させられる。
本書のもうひとつの特徴は,豊富なURLの紹介である。本書のような事例紹介の書籍を購読する際,紹介された内容をネットで確認したいと思うことは多い。しかしながら,そのすべてのURLを紹介している書籍は少ないのが実情であるが,本書は,単に紹介するだけでなく,最新のアドレスの紹介を心がけている。
著者がインターネットの進化で体感した『ドッグイヤー』のスピードに,世の中の法律や現実社会の認知が,どこまで追いつけるかをテーマにした本書は,残念ながら明確な回答を用意していない。しかしながら,読者に「インターネットを中心とする新しい秩序が萌芽しつつあり,それが法となる」と感じさせる好著である。
(C) ブッククレビュー社 2000
1 件中 1 件~ 1 件を表示 |