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ユング入門…
2001/10/11 15:06
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クラリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
立派な書評が別にあるので、簡単な読んだ感想を…。
まず、いわゆる悩み相談的な本ではなく、あくまでもユング心理学の入門書である。といっても、一般向きの啓蒙書でもある。
全3巻の第1巻である。著者の林先生は、日本女子大の教授で、日本ユング研究会の会長でもあるとのこと。
内容は立派な書評の方を見ていただければ分かるが、全く心理学について知識がゼロの場合、ところどころは専門的用語がでてきて、分かりにくい箇所もある。
ユングといえば、初めは有名なフロイトの弟子だったので、そのフロイトについても触れている。フロイトとの関係などの箇所は、フロイト入門? などの本を見つけて読んでから、この本を読むとよい。
また、本の中で、別の心理学の先生方(名指し)の用語などの解釈が、実は間違った解釈であるとして、林先生の解釈が述べてある。私は、林先生以外の方が書いた心理学や精神医学の一般向け啓蒙書を何冊も読んでいるので、果たして、誰のいうことが正しいのか疑問に陥る…。この疑問を心理学的にいうとどういうことなのか訊いてみたい??…
ちなみに、全3巻のうちどの巻から読み始めても大丈夫である。読む価値はある。
自我,コンプレックス,夢などをキーワードに,心の正体を探る。人間に内在する無意識について考察する
2000/12/01 21:16
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投稿者:高山 博 - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺伐とした世の中で刹那的享楽主義が横行するかのように見える。心がすさみ,多くの犯罪が起こっている。以前なら説明が付いた動機が今では判然としない場合がある。心の中のもやをどうすればよいのか。ちまたには処世術を含めた心理学関係の書物が溢れ,大学の心理学科は人気が高い。ただ,最近の風潮では臨床心理学,カウンセリング,社会心理学といった応用部門が幅を利かせ,フロイト,ユングなどへの関心は専門家や専攻している学生に限られるのではないだろうか。
しかし,基礎を身に付け,何よりも先人達の偉業をひもとく作業が大切となる。温故知新という良い言葉があるが,本書はまさしく,この考えに合致する。ユングの仕事を紹介し,現代社会を見据えている。しかも処世術への生かし方が述べられ,実用的な内容を多分に含んでいる。その意味では注目に値し,企業人をはじめとする市民の必読書である。本書は3巻シリーズの第1回配本であるが,続刊が楽しみである。
本書は心って何だろう,との大きなテーマを設定し,殊に『無意識』に着目する。そこで,自我,コンプレックス,元型,夢分析の中項目に分け,それぞれ解説する。まず,心の意味するものを深く考察し,「心とは主体である」「心とはイメージである」「心はいくつもの部分から成り立っている」,との見解を示す。また,最近話題になっている多重人格にも触れる。
2章はユングを中心に,フロイトをはじめとする関係のあった人々を取り上げ,「母体験」と「父体験」が生涯にわたって影響する点を述べる。3章では主に自我について記し,河合隼雄氏の説も紹介する。ナルシシズムやコンプレックスなど,人の感情にかかわる項目が並ぶ。また,心理学で実施される実験法にも紙面を割く。4章は元型について考え,「心の動きのパターン」であるとする。英雄伝,著名人の心の動きなどをつづり,人間の心の不可思議さに迫る。最終章は夢とシンボルの解釈に関し,フロイトの説と比較検証する。
(C) ブッククレビュー社 2000
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