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ジュブナイルと呼ぶほうがしっくり来る。宇宙から来た星虫との共生生活をする女子高生の物語。
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地上に星が降りそそぎ、落ちてきた星が額にあたった翌日。朝目覚めたら宝石のような虫のような物体が全人類の約60%の額に張り付いていた。後に星虫と呼ばれるようになった物体に驚き戸惑う人々。虫みたいで気持ち悪いし、なにより得体が知れない。しかし人体には無害らしいということがすぐに発表される。それどころか、星虫がついたおかげで視力が良くなったりと、人間の感覚を増幅してくれるらしいことがわかった。つまり星虫は共生生物らしいのだ。おまけにイヤだと拒絶するだけであっさり死んで額からポロッとはずれる。人間の額に張り付いた星虫は、日々成長していった。星虫の成長につれ赤外線やラジオ電波、テレビ電波、宇宙線やニュートリノまで見えるようになってゆく。最初は二センチぐらいの「!」型だったのに、数日のうちに体長10センチになり、触覚まで生えた。さらに一日経つと大声で鳴くようになった。ここまで来るとほとんどの人が星虫を拒絶してしまった。
スペースシャトルのパイロットを夢見る女子高生、氷室友美は周りの人の反対を押し切って星虫との共生を続ける。宇宙にあこがれる友美は、星虫を育てて宇宙に帰してあげたいと考える。だがついに星虫は友美の顔を覆いつくすまで成長し・・・。
1990年に発表された星虫が2000年にリメイクされたわけだが、なんとなく懐かしい感じのする作風なんだな。・・・ふと思ったけど新井素子の星に行く船シリーズとなんか雰囲気が似ている気がしなくもない。
それにしても星虫いいな。一匹欲しい。赤外線が見てみたい。テレビを頭で受信したい。
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「プロローグ」を読んで、しばらく日を置いて。
一章を読み出したら、毎日一章ずつ。
でも、6日目だけは、止まらずに一気に「エピローグ」まで。
あぁ、十数年前も、確かこんな読み方で、この物語を読んだなぁと。
ジュブナイル小説は、眉村卓の学園SFシリーズとか、筒井康隆の「時をかける少女」なんかを読んでいたのですが、あのあたりは、どっちかというと、大人が書いた子ども向きの小説みたいな感じがありました。
「星虫」は、そんななかで、なんというか、大人ではない人が書いた「切実さ」みたいなものがあったのが、印象に残っていました。
だから、ものすごくおもしろかった覚えがあります。
今、こうやって読んでみても、おもしろさはやっぱり変わっていません。
ただ、自分のなかの「切実さ」は、確実に年とともに減ってきている気がします。
そして、この物語のいろんな荒さも、ちょっとみえる気がします。
例えば、友美と秋緒の関係。いつの間に、秋緒は、あんなに友美のことを認めたんだというところとか…。
それでも、充分におもしろく、ストーリーを知っているにもかかわらず、ドキドキしました。
あの時代の自分の感受性は、やっぱり、今より敏感だったようです。
メガネの女の子が、星虫をとってしまって、泣き崩れてしまうシーンがあったのですが、このシーン、星虫が落ちた瞬間に、女の子の視力がガタッと落ちた(元にもどった)という描写があったはずだと記憶していたのですが、まったくの記憶違いでした。
気になって、元の新潮社版の方を見てみても、同じ描写でした。
むかしは、わたしもそういう書いてないところまで想像して、読んでたんだなぁということ、今は、けっこう考えずに、感じずに読んでるところがあるなぁと、よくわかりました。
まあ、だからといって、あの時みたいな読み方に戻れるわけではないんですけどね。
それはそれで、辛いことも多いので、わたしは、今の感性も好きです(笑)
まあ、もっとも、もうすでに1冊持っている本ですから、普通は、これだけでは、購入して読もうとは思わなかったはずです。
買ったのは、「イーシャの船」が、続けて刊行されたからです。
「星虫」は、「おもしろい」。だけど、「イーシャの船」は、「好き」なのです。
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この本も好きだけれど、やはり私は鵺姫の方が好き
ポジティブで夢にまっしぐらな知美は
まぶしくて、まぶしくて。
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高校の頃に図書室で出会ってから、もう何度読み返したかわからないくらい大好きな大好きな物語。
久しぶりに読み返して、また世界観に浸りました。
続編も大好きだけど、やっぱりナンバー1はこの作品。
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「宇宙を語る」を読んでいたら無性に読み返したくなって、今回久しぶりに再読。画像はソノラマ版ですが、オリジナルの新潮版を読みました。
どちらも家にはありますが、新潮版を何度も読み返して道原さんの挿絵に愛着があったので(あと死者数の扱いなども新潮版が好きです)。
既に17年前の作品になりますが、今読んでもまったく古さがなく、キラキラまぶしいくらいのお話。大好きです。
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SFファンタジーかつジョブナイル。面白くて一気に読んじゃいました。宇宙生物が人間に取り付く…荒唐無稽な内容だけど多感な少年少女たちがもつ無限の可能性を感じる瑞々しい作品。
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中学生の時に何気なしに読んで大はまり。
一回絶版になってリニューアルして出たやつで改稿も結構あります。
おすすめはは絶版になった方なんだけどこっちも面白いです。
これなんで映画化しないんだろうと思う位、大好きです。
雰囲気はヤングアダルトっぽい児童書チックだけど、凄く面白いです。
若者が悩みながらも自分の信じた道をつっぱしっていく過程で大人になっていくさまにきゅんとします。
多分ジャンル的にはSFものなんですが、私の中では青春ときめきものです(笑)。
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宇宙からやってきた虫が、世界中の人々の額に張り付く。強く拒絶すれば簡単に剥がれて死ぬし、寄生された側の感覚が強化されるメリットもあるので一旦は受け入れられるんだけど、虫はだんだん大きく成長していって……というはなし。
ナウシカとか怪獣映画の、いわゆる「この仔は悪くないの!」系。王道青春どまんなかで面白かった〜。
この本は2000年発行のだけど、1990年に出たやつの再刊らしい。で、2009年にも再刊されたみたい。時代考証を繕いながら、その時代ごとの「ちょっと未来のはなし」を発売し続けてるのか。良い本なので2020年にも読まれてるといいな。
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根強いファンが居るのも頷ける
読後感爽やかな青春ファンタジーの名作で、
古き良きジュブナイルの味わいがとても良かった。
環境問題への警鐘や宇宙への憧憬を
青春ファンタジーにうまく昇華して作られていて
時代を感じる部分もあるものの、
それすら微笑ましいという気持ちになる。
ジブリ映画の「耳をすませば」に似た雰囲気があって
夢見がちだけど、自分のやりたいことや自分の気持ちに
すごく素直に突き進む女の子を応援したくなったり、
才能があってその道を突き進んでいきたいと思う男の子が
好きな女の子と離ればなれになることの辛さと
自分の道を進んでいきたいという気持ちに揺れたりするところなど
溢れる若さを応援したくなる、優しい気持ちになれる小説だった。
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ジュブナイルとはどういうものだったかわからなくなってきたので再読
久しぶりに読み返したら思ったよりライトノベルだった
宇宙がら降ってきた星虫の正体と
主人公の宇宙への夢をまとめあげたこの作品の梗概は
その分野のことばでいうならオールタイムベスト級に素晴らしいSFジュブナイル
他にどんな瑕疵あっても★*5に値する級なのだが
それでも10年埋もれたりするのは
やはり小説として不十分なのだと思う
設定でなくキャラクタの古くささが味でなくライトノベル的な浮きになってしまうあたり
落ち着かないしジュブナイルであることに疑問符付けたくもなる
SFとしてもご都合主義なのは良いのに無駄に演説しすぎ能弁過ぎ
『星を継ぐもの』とかハインラインのジュブナイルとか読むと
アイデアでは負けていないが小説としては負けている