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めぞん一刻(小学館文庫) 10巻セット みんなのレビュー
- 高橋 留美子 (著)
- 税込価格:6,600円(60pt)
- 出版社:小学館
- 発売日不明
- 発送可能日:購入できません
- 商品タイプ:セット商品
文庫
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紙の本
愛する人と共に生きる
2003/12/13 19:36
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メル - この投稿者のレビュー一覧を見る
高橋留美子の作品は、よく言われていることだが、時間がまるで停止してしまっているかのように、日常生活がただ反復されるのが特徴と言える。このテーマはもちろん『めぞん一刻』でも受け継がれている。そもそもタイトルに『一刻』とあるだけに、時が主題と成していることは明らかである。そして、時間といえば、この作品の舞台となる古いアパート「一刻館」のシンボルである大きな古時計はすでに時を刻まなくなって久しい。
この作品の開始当初は、高橋留美子作品らしく、日常生活の反復を描いていた。つまり、五代君と管理人の響子さんを中心とした住人のエピソードが繰り返されていくスタイルである。しかしながら、この作品が一方で恋愛物語という性格をもっていることを考えると、こうした時間の停止している世界とは齟齬を来すはずだ。なぜなら、恋愛物語は、出会いがあり、交流を深め、やがて結婚に至るといったリニアな時間が流れなければ物語が破綻してしまうかもしれない。ただ単に住人間の戯れを描いているだけでは済まなくなってくる。
ここで、ヒロインの響子さんについて振り返ってみたい。響子さんは未亡人という設定で、高校時代に出会った音無先生と結婚したが、すぐに夫を失ってしまう。そんな過去を持って、音無家が管理していた一刻館の管理人としてやってくる。
大雑把に論じてみると、時間の停止した空間である一刻館という建物は、響子さんの内面を象徴していると言える。響子さんは、夫である惣一郎を亡くしたとき、その時点で時が止まってしまったのだ。なぜ、響子さんが時を止めてしまったかと言えば、惣一郎という愛する人を失ったショックや、さらに深い理由は、惣一郎を永遠に忘れまいとする思いがあるからだろう。時は残酷にも記憶を薄らいでいく。響子さんが恐れていたのは、惣一郎の記憶がだんだんと薄らいでいくことであったことを思い出すべきだ。こう考えると、響子さんが時間の無い一刻館にやってきたのも頷けることだ。したがって、物語は惣一郎が亡くなった時点で時間を止めてしまった響子さんが、新たな時間を取り戻すまでの過程を描いていると解釈できるだろう。
もちろん、響子さんに再び時間を与えるのは五代君である。五代君は、大学受験のために上京して一刻館に住み始める。そして大学に合格し、やがていろいろありながらも卒業。そして就職をする。五代君にはきちんとリニアな時間が流れている。つまり、一刻館の住人の中で唯一五代君だけが無時間的な世界の住人ではなく、現実世界を生きていた人物であることが理解できる。したがって、恋愛物語として『めぞん一刻』は、戯れの反復にとどまらずに五代君と響子さんの恋愛→結婚という、いわば、はじまりと終わりを持った物語を動き始めるのだ。
惣一郎が亡くなった時点で時を止めてしまった響子さんが、再び時間を回復するには、平凡な言い方になってしまうが、やはり「愛」が必要であったのだろう。すなわち、響子さんが五代君と共に生きるという決心をした時、響子さんの中で時が動き始めるのだ。逆に言えば、時を動かすには愛する人と共に生きなければならない。したがって、作品中で最も感動的といえる五代君のプロポーズの場面において、響子さんが五代君に求めた約束とは《お願い、一日でいいから、あたしより長生きして》であった。というわけで、時間を巡る物語は、響子さんが再び時を取り戻した時に結末を迎えるだろう。それが、物語の論理であり要請でもあるのだ。
紙の本
少しでも多くの人がこの漫画に出会ってほしい。
2002/08/31 14:11
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ここん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この漫画はおそらく僕が今までで一番再読を繰り返した作品です。
一番初めにこの漫画を読んだ時、僕はこれを全巻買いして、徹夜して一気に読みました。
最後まで読み終わったとき(ちょうど夜が明けた頃でした、←ホントですよ^^;)、とても幸せな気持ちになったことを今でも覚えています。
この漫画については、キャラ、ストーリー、心理描写、絵、ギャグ(?)、どれをとっても非常にイイです。
(^^;)→ 五代裕作が恋をする女性、音無響子さんが非常にイイ! ヤキモチ妬いてる響子さんなんかもうめちゃ可愛い!! ←(^^;)
あと五代の隣人、四谷さんの、漫画でしかありえない完璧さ加減が、この作品の中でいい味出してます。
それから男の僕として、恋の進展の仕方が、いたずらに心をかき乱される内容ではなかったので、それもよかったです。
僕は三年前にこの漫画をあるきっかけで偶然知ることになったのですが(メゾンイッコクという響きだけは子供の頃から記憶の片隅にあった)、少しでも多くの人がこの漫画に出会ってほしいです。
紙の本
一刻館よ永遠に!!
2002/07/01 00:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まきしまむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
結果が判っていてでさえ何度なく読み返す作品がある。
この『めぞん一刻』がそうだ。
冴えない浪人生だった五代くんが未亡人の響子さんに出会い
徐々に成長を遂げ、どこか頼りなさはあるのだけれども
抜群の優しさと思いやりを持った保父さんに。
五代くんを取り巻く環境、一刻館のハチャメチャな住人達、
大学の友人、仕事仲間や上司…彼らとの出会いと交流が
五代くんを大きく成長させたのだろう。
彼のその成長過程を響子さんと一緒に追いかけているうちに
グッとなにか熱い気持ちが生まれてくる。
五代くんにカツを、そして響子さんの優しさが欲しいときに
私は『めぞん一刻』を読み返す。
紙の本
一刻館に住みたい!
2002/05/19 13:23
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くも - この投稿者のレビュー一覧を見る
一番好きな漫画の一つ。貧乏学生の五代と美人の管理人さんと
の恋の物語。だけではなく、個性豊かな住人達とのやり取りも
加わって、最高の面白さになっている。
読んでいるうちに「こんな綺麗な管理人さんがいたらなー」と
ニヤケつつ、「いるわけないよなー」と現実に気づいたりも。
実際、自分が部屋探しの際、「響子さんみたいな管理人さんが
いるんだったら、どんなボロアパートでも我慢します!」と
不動産屋に本気で言いそうになったことがある(笑)。だって
そうでしょ。
個人的に好きな登場人物は四谷さんだ。あの怪しい雰囲気が
たまらない。壁の穴からにょきっと這い出すセンスにしびれて
しまう。物語の最後になっても正体は不明だが、色々と想像を
かきたてられてしまう。
そして、恋のライバル三鷹との三角関係も、最後の最後まで
ハラハラさせる。いい加減にせいっーと突っ込みたくなる場面
も多々あるが、そうやって感情移入させるところが、高橋留美子
の力量の凄さだ。
たまーに読むと、ホッとしてしまう作品である。そこでファン
から一つ要望を。続編ってないんでしょうかね。五代君と響子
さんのその後が知りたい。そんな思いを抱くほど、めぞん一刻
ワールドにどっぷり浸かってしまったようだ。
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