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手塚治虫没後、彼の講演記録を文章化した新書です。タイトルどおり、子どものころからのマンガとの関わり、アニメへの思い、日本の子どもたちへのメッセージなど、どれも、手塚先生らしい優しいまなざしで語られたお話とそれに関連したマンガで、とても楽しく読めました。小さいころから戦争中もずっとマンガを描き続け、デビューは戦後すぐ。「アトム」が最初、悪書として非難された(荒唐無稽すぎる、とか、科学万能で人間性を疎外するとか!!)という話には驚きました。いつの時代も新しいものには雑音が入るものなのですね。科学がどんなに発達しても人間性の大切さを忘れてはいけない、と、きっちり呼びかけられているのに。生前の手塚氏を知る人たち(妹さん、倒産の際の支援者)の話も、ご本人の口からだけではわからない生の姿を伝えてくれて興味深いものでした。手塚先生は60歳の若さで亡くなっておられたんですね。多作な方でしたので、こんなに早く逝かれたとは感じておりませんでした・・。
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おさむって変換でちゃんと「治虫」って出るところまでになっている手塚先生ってすごい。ネタが面白いのと、キャラや日常が面白いのはやっぱり違う。すごさはやっぱり作品でしか分かりませんでした。妹さんの手紙か何かで、氏の兄弟もまんがを描いていたようですが、その御兄弟のまんがを止めさせるくらいのことをその御兄弟のまんがに書いたっていうエピソードが載っていました。どのような事を書いたのか分かりませんが、すごくプライドがあったのでしょうか。
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死後テープ起こしをして自伝にしたもの。
写真やエピソードが豊富。
手塚治虫は日本のアニメブームの創始者で火付け役だった人だ。
良い両親や良い伴侶に恵まれた頃以外は波乱に満ちた人生だったと言えよう。
戦争中働いていた軍需工場で空襲に遭う。九死に一生を得た彼は終戦記念日の日、助かった安堵と喜びを体験。この日が彼の原点となった。
コンセプトは生きる喜びである。
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岩波新書で、一番親しみが持てる本です。
難しいことが書いてあるわけでもなく、
いいかげんなことが書いてあるわけでもありません。
手塚治虫さんが、いじめられっこだったことを本書で初めて知りました。
小さいころから漫画みたいなものを書いていたことも初めて知りました。
初期のころの絵も載っていて、たいへん楽しいし、勉強になります。
お母さんが、堪忍ということばをよく使ったという話が印象的でした。
手塚治虫さんの心が、平和に保てた理由が判ったような気がしました。
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漫画や小説を好きな人に、好きな作品ほど作家本人の人格に触れてみたいというタイプと、優れた作家には作品で語ってほしいというタイプといるが。
私は割合前者のミーハータイプなので、本書も楽しんで読ませて頂いた。
印象的なのは、「子どもは真剣なメッセージを待っている」というくだり。子どもの感性を侮ってはいけない、というより、子どもこそ誰より鋭い感性を持っている、と。常に真剣勝負で当たらねば、彼らに誤魔化しは効かない、とは常々感じるところです。
ところで、戦争、生命、教育、科学、人生、etcと、実に哲学に満ちたお方だ。
彼の作品が死語も愛されるのはそこに哲学があるから、という主張はまさに。このメッセージが旧くなってしまう日は、まだ当分訪れないのであろうと感じる。あるいは、永劫訪れないのか。
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昔読んだ本書を風呂で読み返した。
手塚治虫におけるマンガみたいなものに出会えた人ってどれだけいるのだろうか。すばらしーなー、と思った。
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≪目次≫
≪内容≫
手塚治虫死後に、晩年の講演を中心に文字化したもの。
彼のマンガ家への道、マンガ家になってからの苦労や
アニメへの思い、などを記すとともに、マンガを使っての
紹介部分も多く、読みやすい。
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やらずにはいられないものってある気がするし、誰しもそれには向き合うべき。
ただやりたくない事とも戦わなくてはいけない現実もあってどれだけその中にあって自分の本能に従えるか。
自分にとって本当に大切なものは何か、社会にとって必要なものか何かを深く考える人だという印象。
誰かへの真剣なメッセージを自分も伝えられるようになりたい。
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1986~1988年にかけての手塚治虫晩年の講演記録テープから、子供時代にはじまるマンガ家としての人生をまとめたもの。
巨匠・手塚治虫のメッセージが、ここには詰め込まれている。
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火の鳥、ブラックジャックなど今読んでも古臭くなく面白い。
手塚治虫が描いたテーマはいつの時代でも通用する。
そんなマンガの神様手塚治虫の「神様ではない部分」が垣間見れる。
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手塚先生が、今、生きていらっしゃったら今の日本の状況、世界の状況を、どのように思われるだろうか・・・。先生は、一貫して「生命とは」を追求していらっしゃいました。つまり「生命とは」、「どのように死ぬのか」、「どのように生きていけばいいのだろうか」、この自問自答をマンガを使って表現なさっていたように思います。そして、誰よりも人間に対してやさしさをもっていらっしゃいました。そして、教育についても、例外を除き「体罰に教育的効果はない」と断言なさっていました。例外とは、生命が危険にさらされたとき。未完で終わった「火の鳥」。火の鳥を読み返すたびに、先生が、追求なさっていたことが胸に迫ってきます。
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手塚治虫といえば、『鉄腕アトム』や『ブラックジャック』などに代表される漫画家であり、アニメーターである。日本を代表する作家であるが、残念なことに自分はその作品の殆どを知らない。いずれまとめて読もうとは思うのだが、『火の鳥』の連続していない数冊程度しか読んだ記憶しかない。ただ周りが「凄い」とか「天才」とか評するのを聞いて、すごい人なんだろうなあ、などと漠然と考えていた。しかしこの本を読み、彼の生き方、考え方、そして彼を支えた人々の声を聞くことで、彼のマンガに対する思いは本物だったのだろうと分かる。手軽に読める分量なので、その思いについては触れない。しかし彼がマンガを通して伝えたかったのは、人々の驕りに対する無意味さ、空虚さなのではないかと思う。己が今ある立場に驕ることをせず、自然を畏敬し謙虚であれ。謙虚さが世界的に美徳であるかどうかは別問題だが、子供から大人まで、特に教師や親にも勧めたい一冊である。
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手塚治虫著 「ぼくのマンガ人生」を読む
病気療養中につき、本を読む持久力が、随分と落ちてしまったことに、気がつく。それとも、歳のせいだろうか?谷川俊太郎の詩集「二十億光年の孤独」を、手塚は、読んだことがあるのではないかということを、何かの書評で、読んだことがある。それが、鉄腕アトムの主題歌と作品にも、反映されていると、、、、、、。(主題歌の作詞は、彼が自ら依頼した谷川俊太郎である。) 子供の時に、随分と、本人は、その特異な風貌と行動により、「いじめ」にあったと言うが、当時の友人達は、必ずしも、そうではないと否定しているそうであるが、、、、、。そんな天才、手塚も、ウォルト・ディズニー同様、創作家、クリエーターとしては、稀代の天才であっても、必ずしも、実業家、金儲けの世界では、むしろ、敗北者のレッテルを貼られても仕方ないところがある。しかしながら、彼の人一倍すごいところは、それでも、自分の才能が、クリエーターとしては、十分価値があることを自覚し、又、ベビー・カーで、有名な「コンビ」の支援者から、その価値を引き出して貰い、再起したことである。彼の哲学には、一貫として、テクノロジーの対局に位置する「人間らしい生活の見直し」教育を、子供の時から、心掛け、自然界との相互関係を地球的規模の中で、考えさせるという哲学が、様々な作品に、共通している。命の大切さ、暖かい心、子供の幸せ、夢を、冒険心を育む教育の追究の過程でのマンガを、彼の幼児期の孤独と闘争心とが、作品の中に、投影されているような気がしてならない。彼の座右の銘である「一期一会」と言う言葉も、成功と挫折の中で、「肩書きは要らない」という言葉の背景にあるようである。「鉄腕アトム」、「ジャングル大帝」、「ファウスト」、「火の鳥(復活篇)」、「ブッタ」、「リボンの騎士」、「三ツ目がとおる」、「ブラック・ジャック」、「アドルフに告ぐ」、等、すでに、アニメ文化が、海外にも、影響力を持つ時代であるが、魁として、国境を越えて文化を伝達した功績は大きい。子供向けのマンガというよりも、今や、子供大人と化した大人にこそ、普遍性を持っているような気がしてならない。まだ、読んだことのない題材も、一度、こんな背景を再確認して、手にとって読んでみたくなった。今日の「いじめ」の問題についても、存命していたら、何とコメントしているだろうか?作品の中にしか、答は、今や、見いだせないのが、残念である、、、、、、、、、、。
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手塚治虫の信念や考え方が捉えられる本。戦争の経験や幼少時代の経験がマンガに描き出されていることがよく分かった。
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手塚治虫氏のマンガの原点が書いてありますが、結構被害妄想が強く、プライドの高い人だったんだと手塚氏本人が意図しないことを思ってしまいます。