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こちらも昔の漫画。純愛を描いた名作。
改めて読んでみたけれど、やはり良い。
複雑な家庭環境の中で健気に明るく生きる主人公さちよ。
同じ水泳部で、さちよを一途に想い続ける少年・拓実。
お互いにどうしようもないほど惹かれ合っているのに
恋敵がたびたび登場したり(しかも皆さちよにイジワルする)
スレ違いばっかりだったり、少女漫画特有のじれじれ感満載
だけれど、そこがまた切なくて良い。
この漫画はセリフもいいが、シチュエーションもすごく良いのだ。
例えば、さちよが自分の恋心を隠そうとカーテンにくるまってしまうと
拓実がそれを包み込み、カーテン越しにキス。
雨の中傘がないので、どうするかと思うと、自分のコートの中に
招き入れたり(残念ながら、この時はさちよではないのだが)
脱ぎ捨てられた拓実の制服のシャツをさちよがそっと着て「拓実くんの
シャツ大きい…」と嬉しそうに呟いたり、それを見てしまった拓実が
さちよ愛しさに思い切り抱き締めたり…
最近の少女漫画はすぐにキスやセックスなどに結びつけがちだが
それがなくとも恋愛のドキドキ感はしっかり出せるというのが
この漫画を見ているとわかる。
絵や服装は古臭さを感じるものの、恋愛の描写は今の子が読んでも
十分受け入れられる世界だと思う。
ピュアすぎる純愛ものをお求めの方にオススメしたい漫画です。