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私の居場所はどこにあるの? 少女マンガが映す心のかたち みんなのレビュー
- 藤本 由香里 (著)
- 税込価格:1,760円(16pt)
- 出版社:学陽書房
- 発行年月:1998.3
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紙の本
少女マンガがうつすもの
2001/02/11 13:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小萩 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「コミック、とくに少女マンガの変化を追っていけば時代の価値観の変遷が浮かび上がってくるのではないか」と考えた著者がほぼ10年かけて書き上げた評論集。1998年出版です。
各章のタイトルを抜き出してみると…「恋愛−恋愛という罠」「性描写−こほどかように」「成熟−オトナになった少女マンガ」「家族−明るい家庭のつくり方」「居場所−あなたのための場所」「時間−”閉じられた季節”の向こう側」「トランスジェンダー−女の両性具有、男の半陰陽」「レズビアン−女であることを愛せるか」「女性愛−時代は明るいレズビアン」「社会−お仕事!」「組織−女性総合職、逆転ホームラン」「生殖−生殖からの逃走、あるいは世界の再生」「生命−緑への意志」「進化−存在の変容へ」…と刺激的なテーマが選ばれています。
かなり古い70年代はじめくらいの作品から現在(1998年時点)の作品まで幅広く取り上げられているため、読んだことがあるものは半分もないのですが。あと私はどうしても「花とゆめ」とやおい系にも縁がないため、そのあたりは「ふ〜んそんなものなのか」という感想になってしまうのですが。私のホームグラウンドといえばやはり「成熟−オトナになった少女マンガ」で論じられている槙村さとるの『おいしい関係』あたりです。この評論は確か何かの雑誌で読んだことがあって、可奈子さんへの詳しい描写がある(主人公の恋のライバルでありながら非常に深く描き込んである)ことがこれまでの少女マンガのセオリーからは大きく外れていること、という指摘に非常に感銘を受けたことを覚えています。これが書かれた時点ではまだ『おいしい関係』は連載中だったので、完結した時点での再評価を読んでみたいものです。あとは『イマジン』についても。
紙の本
フェミニズムの視点から見た少女マンガ史
2001/02/27 17:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Stella - この投稿者のレビュー一覧を見る
フェミニズムの本というと、なんともとっつきにくいというか、女性の私から見ても疲れるものが多いのですが、本書は題材が「少女マンガ」ということもあって、非常に読みやすい本です。また、「こうあるべき」「こうすべき」という内容でもなく、ただ少女マンガの内容から時代の価値観の推移を見るものであるため、押し付けがましさを感じることはありません。取り上げた内容が、恋愛・家族・トランスジェンダー・仕事・生殖、というあたりが実にフェミニズムらしさを感じさせますが、それは仕方がないでしょう。
少女マンガの「ブスでドジだと思っている女の子がハンサムで頭のいい男の子と結ばれる」というステレオタイプはふた昔前の話になっていて、純文学はだしの芸術性と繊細さあふれる物語になっているのは少女マンガ読みならご存知のとおり。生命や環境などに関しては、世間の一歩どころか十歩ぐらい先を行く作品があるぐらい。
ただ、こと仕事を題材にしたものに関しては、読者層が高校生以下と想定される少女マンガでは扱いきれないからか、例として取り上げられる作品がレディースコミックや青年誌に連載されていたものになってしまっているのが残念。これは著者の責任ばかりではなく、少女マンガの限界なのでしょう。
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