年下注意報 （Ｃｈａｒａｄｅ ｂｏｏｋｓ） みんなのレビュー

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投稿者：ミントティー　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

同じ学園の二組のラブストーリーです。同僚教師同士の恋愛模様、男同士ゆえに素直に告白することの難しさを丁寧に描いています。そしてもう一組はワイルドな高校生と臨時採用の養護教員とのがむしゃらな恋を描いています。ガキは相手にしないという養護教員に対してすごい前向きなんです、こんな恋愛もいいかもしれません。素敵なホロリとさせてくれる書き下ろしも入っています。おすすめです。

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投稿者：kaede　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　同僚の教師を好きになった安田は、タイミングを見計らって矢野に告白しようとするが、なかなかうまくいかず、やっぱり言って失敗したときのことを考えると躊躇してしまう。そんなある時、生徒の高垣内に、矢野のことを好きで、気持ちを聞いて欲しいと相談されてしまう。
　途方に暮れる中、先生同士の飲み会で飲みすぎた安田は、送ってくれた矢野にキスを仕掛け酔いも手伝ってお互い酔った上でのことだから、と矢野を誘ってえっちしてしまう。けれど、高垣内の気持ちを知っているのに、高垣内の好きな矢野に抱かれているという事実が安田を苛み、矢野の腕の中で高垣内の名前を呼んでしまう安田。
　すっかり高垣内と安田がつきあっているのだと勘違いした矢野は、その後素っ気無い態度になってしまい、また安田は酔った勢いでのこととして済まされたのだと思い落ち込んでしまう。そんな二人の擦れ違いがせつない。

　また後半では矢野に見合い話がきて、断ってきます、という矢野に、安田は迷って戸惑って考える。どうすればいいのか、どうしたいのか。そして、矢野の見合いの席に行って、自分がいるのに見合いなんかなんでするんだと言ってくることを決意する。だけれど、矢野のいるテーブルまで来て、オレと帰ろう、とだけは口にできたものの、自分のことを好きなら帰ろうとは言えず俯いてしまう安田。
　やっぱりどうしても言えなくて、席を間違えました、と言って去ろうとするところがすごくせつない。ラストは安田が惚れ直すようなカッコイイ応対に大団円。そう長くないお話の中に、しっかりせつなさと甘さが含まれた作品。

　そして表題作は教師に失恋した高垣内と産休の代用教員の曲沢とのお話。最初、前の恋を忘れて新たに曲沢を好きになれたと思っていた気持ちは勘違いだったけれど、結局はやっぱり曲沢を好きになってしまう高垣内。最初はあしらっていた曲沢も、いつしか高垣内に惹かれるが、つい大人であることが先に立ってしまい、高校生の熱さを持つ高垣内についていけなくて突き放してしまう。
　せっかく覚悟を決めたと思ってホテルにまで誘っても怖がって逃げてしまう曲沢に、高垣内のセリフが男前でカッコイイ。
　「怖くて逃げるなんて、俺と寝るのが遊びじゃない証拠みたいなもんじゃん」
　そんな、時折高校生らしからぬ頼もしさを見せる高垣内だけれど、普段は曲沢の毒舌にタジタジな力関係がおもしろい作品。