紙の本
大好きだよ、のキス
2006/08/20 10:31
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
「BANANA FISH」や「YASHA」とは赴きを殊にした吉田秋生珠玉のラブストーリー。
場所は鎌倉。
湘南の高校生たちを中心に、時期を同じくした三つの物語がオムニバス形式で語られる。
1話目「Boy Meets Girl」
日頃、男から男へと渡り歩いている里伽子は、ある朝、海岸でサーフィンをしていた男と出会う。同じ高校のその男藤井朋章は、女がらみで悪い噂の堪えない「ろくでなし」。 恋愛感情が生まれるはずもなかった二人だが、里伽子はなぜか藤井に惹かれていく。
2話目「Boy Meets Boy」
鷺沢(男)は先輩である藤井に憧れていて、藤井と急接近していく里伽子に嫉妬心を抱く。鷺沢の後輩の緒方もまた鷺沢に思いを寄せ、彼はその思いを一途にぶつける。 交錯する思いのなかで、鷺沢の藤井への思いは募っていく。
3話目「Girl Meets Girl」
里伽子の妹、依里子は、いくつもの要因から姉を嫌っている。 そのひとつが、里伽子の親友美樹の存在。依里子は美樹を慕っているが、美樹もまた里伽子に友情以外の思いを寄せている。
里伽子と藤井の恋愛を中心に、いくつもの思いは交錯し、藤井が学校をやめ鎌倉を離れることをきっかけに物語は収束に向かう。
想いを告げるもの、決して口に出さぬもの、つながる心、報われぬ想い。
それぞれに傷を負った高校生たちが、それぞれの想いを静かに温めていく様が丹念に描かれている。
いくつもの恋は決して幸せな結末ではない。でも彼らはその恋を悔やむことはない。小さなキスを交わした後、また夏の風の中を前を向いて歩き出すのだ。
こんな恋ならしてみたいと思った。
紙の本
久しぶりに読みました
2016/02/04 15:21
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投稿者:ちょこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
吉田秋生さんの作品は、バナナフィッシュ以来です。子どものときだったので、衝撃を受けたのを覚えています。本屋でみかけて、ふと読みたくなり手に取りました。連作になっていて、話もとてもよかったです。別の作品も読んでみたくなりました。
紙の本
良質のオムニバス
2002/01/19 01:18
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投稿者:wiru - この投稿者のレビュー一覧を見る
一つの話を三つの視点からみたオムニバス形式の物語。肉体的な描写から精神的なものへの流れ。特に女性心理の描写にはため息がでます。まとまりもよく、読みやすい。お勧めです!
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カリフォルニアも河よりもも吉祥天女もBANANAも読んだけれど、最後に選ぶのは「桜の園」とこれ。そんな私は根っからの少女漫画好き・・・?
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「調律が必要なのはピアノだけじゃない」(325p)
クラシックのピアノ曲が似合う、ゆったりとしたラブストーリー。その割に、登場人物の過去はわりとハードです。
気がつくとあり得ないほどねじくれた恋愛関係。登場人物の内ほとんどが片思い中って…!
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恋という感情は決して異性に向けるだけのものではない、と思ったことのある人向け。さらりとした手触りで読める、いくつかの恋の形。個人的には単行本がおすすめです。
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それぞれに傷を抱えた朋章と里伽子。二人の恋愛を中心に、その周囲の人間の視点からもオムニバス形式で描いた作品。
両思いは一組だけ、あとは片思いばかりの切ない話だが読後は非常に爽やか。同じ出来事が違う人間の視点で描かれているので、後に進むたび「あの時そんなことがあったのか」と登場人物たちの交錯する思いが楽しめる。
それにしてもこういう時期の心の揺れや空気の描き方が実に上手い。やはり吉田秋生はこういう作品が好きだ。
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今学校にいて手元に本がないからあれだけど、ピアノの男の子がよかったなぁ。逆に彼に惚れてる背の高い関西人は駄目だった。あの手のずばずばと人の心というか、内面の領域に踏み込んで来る人間て苦手です。。段階を踏んでほしい。。こっちを安心させたり、そういうふうな。フェアじゃないのは嫌だ。相手を慮るとはそういうことだと思う。いくら好きでも。。ここまでで一旦、吉田秋生はブレイク。いやー、もう「YASHA」も全巻手に入れてはいるんだけど、ちょっとここのところ吉田秋生濃度が高すぎるので、何か気分転換というか、空気を入れ替えようかと。窓を開けて。(06/3/7)
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鎌倉青春恋物語。直感で買って読んで、同性愛の多さに驚く。大感動!っていうより、じわじわとくる良さがあって何度も読み返しちゃう。”大好きだよ”のキスがいーなぁ
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あー・・・なんか
ドキドキする
すっきりとした白い部分の多い独特の絵。
セリフが一切ないキスシーンはそれでも何故か胸がぎゅっとわしづかみされたみたいになる。
映画にもなってました。
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子どもの頃想像してた高校生って、こんな感じだった。だからこれを読むと、「高校生」を想像してた子どもの私を思い出す。でも実際は、藤井くんもリカコも鷺沢も緒方も美樹もえりちゃんも、想像よりずっと大人だったってゆうのが、今なら分かる。
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久々に漫画を読みました。作品そのものもとても良かったと思うのですが、あとがきとして寄せられた、有吉玉青のエッセイがまた素敵でした。高校生がそれぞれの話の主人公であることについて、書かれているのですが、すごく納得できます。高校生の頃の、「人と同じで無い孤独」に慣れていない―その言葉は、今思うに私も当てはまっていたように思います。
それぞれのストーリーが重なり合いながら、離れていくというものに胸が痛くなるようなお話です。
トラウマ的な記憶を一人一人持っているのですが、それが明らかになっていく様子がもってまわったようなものではなく、自然と伝わってくる点に私は好感を持ちました。
そして、その隠された思いを知ることだけが愛情ではないということが伝わってきます。気持ちを抱えて仕舞いこんでおくこと、それを見守ることもまた思いやりなのだと思いました。
自分の中にいつまでも壊せない、かけがえの無い思い出としてあの時代が残って欲しい―そう思えるお話です。
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読後のこのモヤモヤ感がたまらん〜〜〜。みんなの想いが交錯しながらも、さっぱりとした絵柄で淡々と進むストーリー。
藤井と里伽子が綺麗すぎて…年下なのに大人びてる。二人とも、普段言葉には出さなくてもすごく傷ついてるからかなぁ。
えりの「良いなぁあんなキス」っていう台詞がすごく好き。あ〜〜モヤモヤするーー。
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『櫻の園』に引き続き、限られた年代・環境での同性愛第二弾。
のちに『海街diary』にもキャラクターが引き継がれるが、あまり同じキャラの使いまわしはしない方がいいのではと個人的には思う。
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映画『ラヴァーズ・キス』を観て、『海町diary』を再読して…しまったらば、やっぱどうしても原作『ラヴァーズ・キス』が読みたくて。本屋に行ったついでに見かけた途端、思わず衝動買い★(^-^;) ――という事情で、ちょー久々の再読となったワケですが。なんていうんでしょうね…これは、なぜかわりと“残る”んですよね私的に。他の吉田秋生作品と比べて、とりたてて面白いというワケでもないんですが。言ってみれば、単なる高校生の、ちょっとアブノーマル入った恋愛モノ、ってだけの作品ですしね。“面白さ”だけで云うなら、インパクトの強いハードボイルド系な『BANANA FISH』や『YASHA』の方がグッとくるし、心に響くあたたかさ、というものを求めるなら『海街diary』の方がずっと強い。なのに、なぜか…この『ラヴァーズ・キス』は、淡々と心に残るカンジがあるのですよ。だから、何度も何度も読み返したくなる作品、ではないけれど、時たま思い出したようにフッと読みたくなる作品、では、あると思います。この作者は、きっと“見えないもの”を描くのが上手いんだろうなー。その上手さに知らず知らず惹かれてるんでしょうね、私は。