紙の本
心がからっぽになったときに読むといいです
2002/04/24 12:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:せつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
前世での自分の夫を捜し続けるニューハーフ、極端な過食と拒食を繰り返す女子学生、両親の離婚を間近で見ている精神年齢大人以上の子供、いじめのため学校をエスケープしつづける女子高生と、会社をさぼる元エリートの義父。
彼らの生きざまがたんたんとユーモラスに描かれてい、時々おかしくなって笑ってしまったりしますが、深刻ぶりはしないとしても、もちろん真剣にみんな生きているのです。
楽しいこと、苦しいことの底から彼らが見上げる空の、澄み切った透明さが心にしみました。
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言葉にするのが陳腐ですね。この人の作品は。すごい世界観。岡崎京子すら軽く飛び越えてしまってる。「夏の夜の獏」が特によかったなぁ。何か作品全体に共通項が見え隠れしてるんだけど、まだそれを明確に掴めてないです。そのまま掴めないままずっと翻弄されるってのもありだよな。(06/1/20)
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昭和63年〜平成2年
収録作品 全て素晴らしい!
これは学校の道徳の時間とかに取り上げたらいいんじゃないかと。
重い題材でも、大島弓子の作品を通してみると核の部分が見えてくる気がします。
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『つるばら〜』が大島作品で一番好きです。大島先生の漫画の読後感って江國香織さんの小説の読後感と似てる気がする…ほんわかするのに心に突き刺さるものがあるのが大島作品の魅力だと思います。
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読み終わった後に心に「ふわっ」とした温かい何かが残る作品
日常的で、でも非日常のような・・・
素敵な世界観が純文学的ですらある。
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表題作は男性を好きになって苦しむ継男が主人公。細い道・垣根のバラ・石階段・木製のドア…子どものころから繰り返される夢。前世で自分は「たよ子」で、結婚していた…そうして現実世界で夫を探し続ける継男。ついに夢の家を探し当て、夫を探し当てる!
精神年齢で年齢を描き分ける「夏の夜の獏」がすごく面白かった! おじいさんが赤ちゃんに描かれていて!! 自分は小学3年生なのに青年に描かれていて!! この発想が最高。うちの父なんか2歳児くらいで登場させたいと思った。
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この本の中に収められている「夏の夜の獏」が一番好きだ。数ある大島弓子作品の中でベスト3に挙げることが出来る。いいんだ、泣いてもいいんだ、というところに来ると、何回読んでもまた泣いてしまう。最近になって大島弓子先生のお顔を画像で見た。お美しかった。イラストでの自画像はいつもアタマもしゃもしゃのゲジゲジまゆげだったから。
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短編集なんだけど、どれも不思議な作品。
そこが魅力的です。夢って現実に起こってることじゃない、って本当に確信を持って言えることなのかな~??って表題作を読んで思ったよ。
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石段
ばらの花
木製のドア
第二の人生の幕を開けよう
(バーは永遠よ)
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……読むまでは、ずっと蔓薔薇だと思ってた。
まさか「くわばらくわばら、つるかめつるかめ」を
一緒にしてみました、だったなんて\(´。`;)ノ
で、その表題作ですが、
文庫P.54で終わってもよかったと思うんですよね。
一つのキレイなドラマじゃないですか。
なのに続いちゃうんだな(^^;)。
以下、終盤三分の一がトンデモナイ内容に。
でも面白ーい(゚∀゚)!
子供なのに精神の発達度が大人並みな主人公を青年として、
大人のはずだが内面が幼稚な家族らを子供の姿で描いた
「夏の夜の獏」も凄い。
散々バカ言ってた長男(主人公の兄)が
年相応の見た目で結婚宣言する瞬間がカッコよすぎ。
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ダイエットに毎日が夏休みなど、読みたかった作品が収録されていたので嬉しかったです。特にダイエットという作品が印象的で、福子の最初のくだりがものすごく好きです。
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夏の夜の貘
山羊の羊の駱駝の
つるばらつるばら
どれもとても素晴らしい作品ですが、
つるばらつるばらが一番好きです。
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小さい頃から思い出した時に読んでいますが、
いつ読んでも印象が違う。
様々な問題を取り上げていて、
私にとっては別世界の出来事のようでいて、
その危うさは決して人事だと思えません。
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湯河原図書館で偶然見つけて、数十年ぶりに再読しました。「つるばらつるばら」他2作。どれも大島弓子先生独特の鋭い感性がキラキラ光る傑作ばかり。特に「夏の夜の獏」は、精神年齢は20歳、実は8歳の少年が見た日常を描いた物語。冒頭から一気に引き込まれて主人公の不思議な魅力の虜になり、最後は思いっきり感動して泣いてしまう・・・典型的な大島ワールドです。
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『つるばらつるばら』が、
「つるかめつるかめ」「くわばらくわばら」からの造語だったとは。
「つるばらつるばら」
前世で自分が「たよ子」だったと信じ、性転換してその名を名乗って、残して来た夫の住む家を探す少年の物語。
「夏の夜の獏」
自分を大人だと思う少年の物語。絵も自分は大人で、先生や両親は子供で描かれている
「ダイエット」
痩せたり太ったりを繰り返す少女。その子を、面倒を見てあげなければいけないと思う友達の少女。
「毎日が夏休み」
会社を辞めたエリートの義父と、いじめと勉強が問題で学校をやめてなんでも家をはじめる物語。
「恋はニュートンのリンゴ」
大学生と、その大学生に恋をした天才小学生少女の物語。