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紙の本
元気な長寿の秘密や複雑な老化現象を,急速に発展する分子生物学によって解明する
2000/11/02 18:15
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投稿者:ブックレビュー社 - この投稿者のレビュー一覧を見る
分子レベルで生命の謎を解こうとする「分子生物学」を専攻している筆者は,同時に分子レベルでの老化の研究をライフワークとしている。研究の最新情報を,できるだけ分かりやすく執筆したのが本書である。冒頭,75歳から絵を描き始め,101歳まで描き続けた米国の画家ゲランマ・モーゼスを取り上げ,家族と社会に対する責務を果たした後,新たに充実した第2の人生が可能だと強調している。3部構成になっているが,筆者が第1部はやや難しい記述が多いと言うのに従って,「第2部 長命と短命の境目」から紹介することにしよう。
筆者がまず取り上げるのは,寿命に性差があること,女性の方がなぜ長生きするのか,という点だ。次いで若く見える老人がいるのはなぜか,と問いかけ「外的要因が作用する,21世紀には環境汚染物質が問題になろう」としている。内部要因について,せっかちなウサギが短命で,のろまな亀が長生きなのは,真核細胞にあるミトコンドリアで作られる活性酸素が多いと老化が進むのではないかと推論している。またガンにならないための身体のメンテナンスに触れている。「第3部 寿命は変えられるか」では,長寿のための食卓10カ条を解説,“マメタマカイカイチチニクとベジ(豆,卵,魚介,海藻,乳製品,肉,野菜を適切に摂る)”という標語を台所に張ってあるという。いくつかの若返りの薬と称するものを紹介,その危険性を指摘,寝たきり老人にならない生活法を推奨している。
さて「第1部 寿命はどう決められているか」では,最新の分子生物学に基づいて,1)遺伝的に決まっているとするプログラム説,2)生活してくるうち,DNAなどに傷が溜まるエラー蓄積説,3)体細胞廃棄説,という3つの老化の仮説を紹介,生物学の最前線に連れていってくれる。生命の謎,たまにはこんな本にチャレンジしてみてはいかが。
(C) ブッククレビュー社 2000
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