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見えるものだけを書くのでなく、その奥にある見えないもの、言葉にし難いものを表現へと変換しなければならない。そのためには、まず書く前に、いつも周囲を見て思考する日常の生活習慣がいる。
文章化とは、その思考の圧縮作業だろう。
(P.133)
事実を書くときは安心感がある。事実にもたれかかって書くからだ。嘘、虚構にはそのもたれかかる柱がない。事実を語るときより、嘘を語るときのほうが、人は真面目でひたむきかもしれない。
(P.147)
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仕事柄、文章を書く人なら(エッセイてきなものでも)、読んで損はない本。
一つのテーマが2、3ページにまとめられているし、柔らかい文章で読みやすく、わかりやすいし。
文章を書くこと、いろいろ感じること、そうして生きていくこと、が温かく書かれています。
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「『文章講座』と銘打ってはあるが、質の良いエッセーを呼んでいる心地になる。『文章作法について書かれた本を読むことに不快感があった…(略)…つまり田圃の仕事を教えるのに泥に手を汚さないのと似ている。田圃から遠い机で演習を講義している印象があるのだ』(p.30)とあるが、著者は、田圃までおりてきて一緒になって泥に汚れながら語りかけてくれる印象。文章作法の本はいくらか読んだけれど、文章にたいする柔らかくて暖かな愛情を最も感じた本。端的にいうととても好き。繰り返して読んでも飽きがこないのでずうっと手元においておくつもり」との感想。
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良い文章とそうでない文章の際をいくつかの事例を通して示すことでより良い文章を学ぶという本である。
文章を書く、絵を描く。どちらも難しいと敬遠されがちであるが、この本を読めばどう書けばよいのかがおぼろげながらも分かるのではなかろうか。事例を通しわかり易い文章、好ましい視点の置き方などが示されている。
文章について「まずは口に出してみる」は本当にそうだと思う。職業柄他の人が書いた文章(この場合議事録)をチェックし修正することがあるのだが、間違いが多くてこまる。それも音読(職場にいるなど難しけれはもごもごと口を動かすだけでも良い)をしていれば分かるような凡ミスがある状態で提出してくる輩があとを絶たない。これはいけてない。