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紙の本
こんなに素敵な絵本をつくったみなさんにもありがとうを言いたい
2003/04/12 15:14
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しいこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
恥ずかしがり屋で友達ができないもぐらくんは、ある日やさしいフクロウじいさんと森で出会い、散歩に誘われます。大きな白モクレンの木の下で、フクロウじいさんは、何でこの美しい花が見えるのかな、目があるからなんていうのはだめだよと、もぐらくんに宿題を出します。
二人は大の仲良しになって、よく一緒に森を歩きました。森の生き物たちは、カタブツと思っていたフクロウじいさんのことをちょっと見直すようにもなっていました。
フクロウじいさんはもぐらくんのことを「もぐちゃんや」と呼んでとても大事にしていました。二人でいればそれで幸せだったのですが、年をとって体が弱っていくのを感じたじいさんは、もぐらくんに友達がいないのを心配して、わざとみんなに会いたいと頼むのでした。
もぐらくんは勇気を振り絞って一番遠いところにすんでいたうさぎさんを訪問します。うさぎさんはもぐらくんを連れて、次々に他の森の住人たちを訪ねて歩きました。じいさんのところには大勢がお見舞いにやってきました。もぐらくんもみんなと友達になれました。
フクロウじいさんが亡くなって最初の春、もぐらくんは森を歩いていて、あのモクレンの花を見つけます。そして気づくのでした、「ぼくがここにいるから」この美しい花が見えるんだと…。
シンプルで深くて美しい物語です。生きてここに自分がいるから、出会いがあって、美しいものを見ることもできる。絵本の主人公、もぐらくんは、フクロウじいさんという大事な友人を失うのですが、だからこそ初めて自分が生きていること、そして生きているからいろいろなことができるのだということを実感することになります。それはまたフクロウじいさんが彼がさみしくないようにと友達を作る機会を贈ってくれたからでもあります。そうでなければ、もぐらくんはじいさんの死後もただ悲しみに明け暮れていただけかもしれません。さみしさと同時に新しい希望がもぐらくんを包んでいたからこそ、生きていることの素晴らしさを、自然の美しさの中に実感することができたのです。
本当に、ありがとうフクロウじいさん、と言いたくなるおはなしなのです。
ふんわりした感じのタッチの絵もやさしい気持ちを誘います。
こんなに素晴らしい物語を、一冊の絵本で表現した作者、デザイナー、出版社のすべてのみなさんにお礼を言いたくなってしまいました。
ちなみに、うちの娘もね、最初は触手が動かされなかったのか、なかなか読もうとしなかったのに、一度読んでからは何度も何度も繰り返して読んで、ある日私に「ママ、この絵本くれてありがとう」って、何度もお礼をいってくれました。私も嬉しかったです。
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