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フランス革命についての省察 下 みんなのレビュー
- エドマンド・バーク (著), 中野 好之 (訳)
- 税込価格:660円(6pt)
- 出版社:岩波書店
- 発行年月:2000.8
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文庫
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紙の本
フランス革命をはるかに長い時間のなかで見直すときに必要になってくる資料
2000/11/09 12:27
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:多木浩二 - この投稿者のレビュー一覧を見る
このフランス革命にかんする著作より、バ−クがまだ若年の頃に書いた『美と崇高の観念の起源』の方がわれわれにとっては馴染みが深い。それは十八世紀の美学思想を考える上で欠かせない文献であった。『フランス革命についての省察』は、一九八九年のフランス革命二百年のさいにも日本ではなかなか手に入れがたかった。それにこの『省察』は、一七九○年に刊行されているが、バスティ−ユ攻撃後、間もないころに、フランスの一人の青年ドボンからの書簡にたいする返書として書かれ、発送を見送り、のちに送られることになる書簡に由来している。この書簡のころは、バ−クはイギリス人として傍観的な態度を持していた。実際、イギリスの政治はフランスの政変にさほど重点を置いていなかった。しかしイギリス国内でのある人物によるフランス国民議会を認める表明をきっかけに、バ−クはフランス革命を、フランスのみならず「全ヨ−ロッパの、否、ひょとしてヨ−ロッパ以上の規模」の危機だと感じ取り、その全面的な否定に向かっていった。この重大な歴史的、政治的事件について、あらためて書くことになった。この書物は、だから依然としてドボンへの書簡の体裁を残すことになったのである。この時点では、フランス革命はまだその全体の相貌を現していなかったから、革命の歴史的分析は不可能であったが、政治家であり政治哲学者でもあったバ−クによる、今起こりつつある事件にたいしての直観的洞察であったというべきであろう。しかしたんにイギリスの反革命的な思想として見逃すのでなく、フランス革命をはるかに長い時間のなかで見直すときに必要になってくる資料であることには相違ない。
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