パスト・フューチュラマ ２０世紀モダーン・エイジの欲望とかたち みんなのレビュー

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投稿者：asid_frog　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

デザイナーでもある著者が、20世紀の都市デザインやコンピュータ・カルチャー、レトロ趣味などをアカデミックではない（？）視点で分析した本だが、もっとも面白かったのは、サイケデリック様式がいつ、どのように生まれたのかを詳細にたどった章。1960年代に開催されたいくつかのアール・ヌーヴォー関係の展覧会まで調べ、それら、西海岸やロンドンの若者に影響を与え、サイケデリック様式が生まれるというくだりは、いままでどの本にも書かれなかった知られざるデザイン史だと思う。図版の量が半端じゃなく、それらを眺めているだけでも楽しい。

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投稿者：神楽坂　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　２０年間でたった３回しか発行されていない『パピエ・コレ』という雑誌があるらしい（雑誌と銘打っていいのか？）。その編集長が、この本の著者だという。それだけで、興味を引かれるではないか。
　過去のデザインたちが、いかに未来を志向していたかを、工業デザイン、ファッション、コンピュータについて再検証している。消費者でもファンでもなく、デザイナーとしての視点である。リアルタイムでは気づかなかったが、時を経て見えてくることは多い。当時は騒がれたのに、今は全く顧られないもの。その逆に、製品寿命を終えてから先進性が評価されたもの等、デザイナーにとってはどちらも苦笑いするしかない。
　コンピュータのデザインについては、Apple IIやMacintoshのように当時も現在も評価の高い機種を取り上げる一方、ソード等、今や知る人もないマイナー機種までフォローしている。第１次パソコンブームの初期、当時でもソードのマシンなど見た人は少なかったはずだ。いわんや、そのデザインの良し悪しなど、誰一人語らなかったに違いない。いい素材を掘り起こしてくれたものだ。