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オブジェクト指向とコンポーネントによるソフトウェア工学 UMLを使って Version 1.3 OMG UML standard みんなのレビュー
- ペルディタ・スティーブンス (著), ロブ・プーリー (著), 児玉 公信 (監訳)
- 税込価格:3,300円(30pt)
- 出版社:ピアソン・エデュケーション
- 発行年月:2000.9
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紙の本
『良いシステム』を構築するためのオブジェクト指向技術の正しい適用法
2001/01/07 18:16
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投稿者:中嶋 睦月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
・良いシステムとは何か
・良いシステムは存在するか
・良いシステムとはどんなものか
・良いシステムはどのようにして作るのかという,高品質のソフトウェアシステムを構築する場合の最も根本的な疑問から,本書はスタートする。すなわち,本書においては,その根底においてオブジェクト指向やコンポーネントは必ずしも主役には成り得ていないのである。本書の主役は,あくまでもソフトウェア工学であり,その目的は,『良いシステム』を構築することに注がれているのである。
本書は,先の問いかけに始まり,以降,第II部 統一モデリング言語 第III部 ケーススタディ 第IV部 実践に向けてと続く。本格的な内容に先立ち,第I部では,『良いシステムとは何か』を根底に,オブジェクト指向の概念の説明と非常に簡単なケーススタディ,そして開発プロセスの紹介をおこなっている。これらは,オブジェクト指向の初心者に対する高度な内容の本書へのいわばアプローチにあたる。
第II部では,ソフトウェアシステムに対するオブジェクト指向技術の適用方法を統一モデリング言語(UML)を使用して解説する。使用されているUMLは,オブジェクト指向を使用してシステムに対する分析や設計を表現する際の現時点でのもっとも確立された言語である。UMLにはその目的に応じてさまざまな標記法が登場するが,本書では全体の中の各標記法の位置付けと他の標記法との関連が明確に示されているために,UMLの全体像を失うこともなく正しい理解にたいへん貢献している。
続いて,第III部では,3つのケーススタディを扱っている。ここで紹介される事例は,それぞれに特徴があり,例えば2つ目の事例のボードゲームでは,「3目並べ」と「チェス」を一つのアプリケーションとして同時に開発することによりこのドメインに見出せる共通機能をもった適切なアーキテクチャをフレームワークとして抽出することに焦点をあてている。オブジェクト指向を採用する開発者の全てがフレームワークの開発に迫られるわけではないが,システムの再利用性という観点から決して疎かにできないのがこのフレームワークであり,それを事例として疑似体験できるのは喜ばしいことである。
第IV部では,実践に向けての著者からの貴重な示唆が示されている。そこでは,再利用の実用性に関してより深い洞察が提供されている。そして,エキスパートによって確立された知恵から技術を拝借するためのデザインパターンを活用することの有用性について述べる。さらに,製品の品質保証や開発プロセスの品質に関して言及する。
オブジェクト指向技術が,ソフトウェア開発の現場で広く使われるようになってきてから間もなく10年を経ようとしている。オブジェクト指向は,そのパラダイムそのものが困難であることとシステムにその技術を効果的に適用することの困難さがあることも伴い,これまでも技術書の多くはオブジェクト指向の技術的側面に力点を置いて著されてきた。技術的にある程度の習熟を迎えた今,UMLというスタンダードとともにオブジェクト指向の本質を勉強しなおすとても良いチャンスを本書が我々に与えてくれているのである。
(C) ブッククレビュー社 2000
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