投稿元:
レビューを見る
フランスの推理小説。いわゆる叙述トリックを使った作品で、とても面白かったです。
若者グループの間で起こった二重殺人の事件を軸として物語が進みます。現在ではよく見られる形式で、被害者の母親、犯人のシーンが切り替わりながら話が展開される手法が取られています。事件からしばらくの時を経て、事件の時効を迎える直前に、犯人、そして、被害者の母親のもとに事件の真実を告げる人物が現れ、そこから展開のスピード感が増していきます。
物語の最後の結末に「あれ?」という疑問が生じると同時に、作中に覚えた違和感が解消されてすっきりとしました。叙述トリックの小説でよくあるように、読後にもう一度パラパラと読み直し、なるほどと納得できました。