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経済を消費という側面から分析するという、あるようでなかった本だと思う。
非常に面白く読んだ。
とはいえ、やはり現代の消費=コンビニ+携帯電話と言われると切ないものがある。
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[ 内容 ]
規制緩和と電子ネットワークの整備により、消費者の選択の幅は広がり、個人消費が拡大して経済の活性化に寄与する―。
このような「通説」がこれまで信じられてきた。
しかしそれは長引く不況にあえぐ我々をもはや納得させてはくれない。
大型スーパーからコンビニや専門店へと消費の主導権は移り、また一方ではIT革命が進行するなか、既存の理論では説明のつかない日本経済の現実をどう受け止めたらよいのか。
戦後の日本が歩んできた消費の歴史を振り返りながら、現代経済と日本の消費社会に柔軟な感覚で新しい光をあてる。
[ 目次 ]
序 戦後日本の消費にかんする通説と異説
第1章 欧米社会に見る消費の五つの類型
第2章 戦後日本が歩んだ消費の歴史
第3章 消費資本主義とは何か
第4章 日本の消費はどこへ行くのか
[ POP ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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充実した本だったのかもしれないけど、コンビニから見る…ってところが羊頭狗肉で期待はずれだった。それだけ。
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バブル崩壊後終わりの見えない不況が続く日本。
特に景気を下支えする「(個人)消費」が落ち込んでいる事が指摘されている。
経済学において通常、消費の落ち込みは適切な需要調節により回復されると考えられ、「消費」自体を主体的に研究対象とすることは少ない。
著者は、この「消費」に着目した研究を行っている。
戦後の日本人の「消費の歴史」を辿っていくと、最終的に到達するのがコンビニであった。
さて、景気回復のために何をすればよいのか?
通常は完全市場を実現する事で、需給バランスが適切化し、必然的に消費も回復すると考えられる(これが、消費が直接的な研究対象とならない理由の一つ)。
そのために日本ではバブル崩壊後、これまでの経済慣習や法制度の改正が急速に行われてきた。代表格が終身雇用制度の崩壊である。
また、各種規制緩和も多数行われてきた。そして、完全市場を達成する上で重要となるのがIT技術の進化による消費者主権の実現である。
それでは、現在(本書は2000年発行)景気は回復したのか?
これはどう考えても否である。
なぜ回復しないのか。
一つの考え方としては上記に述べたような改革が不十分である事が言える。
その一方で消費者に対するアンケートなどからは「将来に対する不安」が消費を抑えている事が分かる。
著者は、消費に着目する学者として、後者をより重視する。
そして、現在のように急激に規制緩和を行う事では不安は払拭されないと主張する。
また、IT技術の進化も過大視すべきでないとしている。
そして、より大きな観点からの主張として、日本人が今こそ豊かさとは何かを考える事べきだと主張する。かつての高度経済成長の様に、豊かになりさえすれば、文化や都市の景観の破壊などがまかり通る社会に疑問を呈している。
消費に対する考察以上に、「豊かさとは何か」という主張が印象的であり、また、今後「成長しない」であろう日本を生きていく者として、各が問題意識を持つべきテーマだと言える。
全体的には面白いと感じたが、やはり新書故か、どうしても読みにくさがつきまとう。
特に本書のように沢山の理論や批判を列記する場合、文章でダラダラと書かれるとすごく読みにくい。
また、本書のタイトルにもなっている「消費資本主義」などの言葉があまり明確ではないので、しっかりとした索引が欲しかった。
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経済に疎いので、勉強しようとして読んでみたのですが、サイードのオリエンタルリズム、ソシュールの議論といった、社会学にも及ぶ広範な知識と経済の知識を掛け合わせて新たな知見を述べられていました。この著者の方の知識の守備範囲の広さに脱帽しました。社会学を普段学ぶ自分に見覚えのある知識をリンクさせて読むことが出来たので、面白いと思いました。駆け足で読んだ為、噛み砕き切れてない部分も多いので、また、ゆっくりと読みたいものです。