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紙の本

この訳、詩人のそれとも思えぬ「ぬるい訳」で、ちょっとがっかりした

2000/11/07 00:15

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:安原顕 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 白水社が「創立85周年」とかで、池内紀個人訳による『カフカ小説全集』(全6巻)、アルフレッド・フィエロ/鹿島茂監訳『パリ歴史事典』、1950年の新装復刻『アナトール・フランス小説集』(全12巻)、『ヴィヨン詩集成』などが出る。順次、紹介するつもりでいるが、まずは『ヴィヨン詩集成』から。彼の「詩」は、本書をじっくり読んでもらうこととして、ここでは『集英社世界文学大事典』(細川哲士)を借り、ヴィヨンの略歴を書いておこう。フランソワ・ヴィヨン(1431頃?〜1463頃?)の父は不詳。パリ大学で学士となるが正業についた痕跡はなく、無頼の輩を友とし、窃盗、殺人の罪を重ね、絞首刑を宣されるが運良く免れ、パリを放逐され、それ以後は姿を消す。彼には『形見分け』『ヴィヨン遺言』の二つの詩集がある。前者は8音綴りの8行詩、38連からなる304 行で、『小遺言詩』とも呼ばれている。内容は恋する女への執着を断ち切るため、旅立ちを決意、そのための遺言状との体裁を取ったもので、数的にも截然とした構成になっている。親しい人々に贈る形見品とは自分の名前、心臓、抵当に取られている懐剣などだった。エピローグは、気づいてみれば、「友に贈る筈のこうした品々とてない、すきっ腹を抱えた俺なのだ」で終わっている。むろんフィクションである。天沢退二郎訳ではこの下り、「以上、頭書の通りの日付[1456年]にて/その名も高いヴィヨンにより作成された。/この男、イチヂクもナツメも食わず/モップみたいに痩せて色黒。天幕といわず幕屋といわず/すべて仲間に形見分けして/残るはわずかなばら銭ばかり/それもまもなく消え失せよう」となっている。『遺言』の方は2000行強あるが、主題の展開の仕方が複雑、『形見』のようにすっきりしておらず、詩型も8音綴8行詩がベースだが、各所に詩型の異なる詩が挿入され、内容も死の予感、己の過去・現在・未来を思い、周囲の人々を見据える視点が取り入れられている。有名な「去年(こぞ)の雪いまいずこ」が出てくる「昔日の美女たちのバラード」もこの『遺言』「41」に出てくる。天沢訳では「いったいどこにあるんだ 去年の雪は?」と訳されているが、この訳、詩人のそれとも思えぬ「ぬるい訳」で、ちょっとがっかりした。他にも「雑詩篇」「注解」「年表」ビブリオグラフィーなどが載っている。

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2010/08/16 16:49

投稿元:ブクログ

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