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家貧しうして孝子出づ、国乱れて忠臣あらわる(対句で覚えよう)
2003/05/08 13:06
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投稿者:松井高志 - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間国宝である講談師・一龍斎貞水師編の「歴史講談」シリーズの一冊。フレーベル館の児童書で、文章自体はライターが書いている。
貞水師といえば、なんといっても怪談の名手として知られるわけで、このシリーズも一巻目は「恐怖の怪談」。二巻目がこの「大岡裁き」、三巻目が「太閤記」、四巻目、五巻目が「軍談もの」、六巻目が「剣豪もの」と続く。貞水師の写真などは本のどこにもなく、わずかに裏表紙に張り扇を持った似顔絵があるのみ。
この「大岡政談」の巻では、数ある「大岡政談」の物語のうち、長篇・中編の犯罪物語は掲載されておらず、いわゆる「大岡裁判小話」と呼ばれる短編が中心。娘の養育権をめぐって実の母と継母が白州でその両手を引っ張り合う話など(かつてテレビドラマでは、手を引っ張られる娘を杉田かおるが演じていた)。
文章自体は、講談の語り口調をほぼそのまま生かしたもので、脚注も「そこつ」「不埒」「後家」「紙入れ」など、大人だったらすっと通り抜けてしまう「時代物用語」で子供が抵抗を覚えそうな言葉をていねいに拾って解説しており、親切な内容。文章でいえば、大人が読むに耐える。ただ、名奉行のとんち小話を集めてしまったため、犯罪物語を「じっくり読ませる」という大岡ものの本来の楽しみが今ひとつ得られない。
あと一点、残念なのは、挿絵が「かわいい」こと。子供向けの絵柄ということを意識しすぎていて、内容にフィットしてない。変に媚びすぎである。むしろ文章を読む限り、大人を意識した本の造りにしてしまっても良かったと思う。
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