紙の本
哀しい話
2002/10/12 02:32
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投稿者:あばたえくぼ - この投稿者のレビュー一覧を見る
悲しい、ただひたすら悲しい、戦闘で戦友が突然失われていく姿が悲しい、少年達の純真で幼い姿が悲しい、信じていたかったモノに裏切られるウムボルトが悲しい、あまりに非力な兵士達が悲しい、何より悲しいのはウムボルトがずっと前だけを見ているところだ。ウムボルトは少しも昔を思い出さない、楽しかった建大時代も何もかも。過去を振り返りはしないウムボルトはずっと未来を観ていたからだから楽しい思い出を思い出すこともなくただ辛い現実の中でもがき続ける最後の最後まで悲しいあんまりにも悲しい。
紙の本
漫画家・安彦和良氏が描く代表作の最終巻です!
2020/11/07 12:22
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、漫画家で、アニメーターで、キャラクターデザイナーでもあり、さらにアニメ監督、イラストレーター、小説家としても活躍されている安彦和良氏の長大な作品です。同氏は、何と言っても『機動戦士ガンダム』で有名ですが、同書は、それにも劣らない秀作です。同書は、中公文庫から全8巻シリーズで刊行されているうちの最終巻で、昭和初期の満州国を舞台にした物語がいよいよ終盤に向かいます。日蒙ハーフの主人公ウムボルトが当時メキシコに亡命していたレフ・トロツキーを満州に招く「トロツキー計画」に関わり、それに従事するうちに、自身のルーツや民族的なアイデンティティを自覚していきます。一体、最終回ではウムボルトはどうなるのでしょうか。ぜひ、一度、お読みいただきたい一冊です。
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まあなんかいろいろ謎のまま残った感はあるけれど、いい終わり方だったんじゃないかな。
全体としてみるとスロースタートではあったけれど、最終的にはよい物語だったように思う。現代史の勉強にもなるしね。
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戦争をテーマの一部に扱った作品なので、力強くも哀しい物語だった。人類が体験した過去の悲劇を忘れないように、現代にまで残そうとしている安彦さんのテンションみたいなものも最後に感じた。
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あまりにもっともなセリフ。著者のあとがきで「固有の領土」という言葉のあいまいさとも関係して。満州国とは何だったのか・・・。
麗花「こんな戦争に何の意味があるの!!何のためにこんなところで殺し合いをするの!?こんななにもない草原だけの土地で!!もともと誰のものでもない土地だったのに!!包に住むモンゴル人が羊や馬に好きなだけ草を食べさせていたのに!!何百年もそれでよかったのに!!殺し合いが好きならそんな人たちは勝手に殺しあうといい!!」
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★下のほうでラストシーンに触れていますのでご注意ください
■1巻
とりあえずおもしろいけれど ナムジとは違ってバックグラウンドとしての知識がほぼゼロなのでそのあたりはなんともいえん 少し予備知識を入れてから読んだほうがいいかな 2巻はいつになったら借りられるだろう?
■2巻
面白いような気がするがいかんせn予備知識がなさすぎてナムジとは違う 少しウィキなど読んでからのほうがいいか?
■満洲事変 - Wikipedia
虹色のトロツキーの前知識として読んだ うーむぜんぜん知らんかったわい 太平洋戦争は陸軍とくに関東軍の暴走がきっかけってことになるのかな
■3~5巻
おもしろい グイグイ引き込まれる でも一回読んだだけでどうこうと言えるほどの知識がない
安彦本当に絵がうまい 筆で描かれた線が力強くかつしなやか まさに肉筆 ナムジ買おうかなー
■6巻
李香蘭が出てきたと思ったら おお麗花も再登場!
■8巻
p.85 麗花が泣き叫ぶ
こんな戦争になんの意味があるの!?
なんのためにこんなところで殺し合いをするの!?
なにもない草原だけの土地で
もともとは誰のものでもない土地だったのに
包(パオ)に住むモンゴル人が羊や馬に好きなだけ草を食べさせていたのに!
何百年もそれでよかったのに!
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あの草原を思い出すとまさにそのとおりだと思う 誰のものでもない ただの広大な草原
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p.268 草原に倒れ込むウムボルト
(生まれてくる麗花との子どもに)
どんな子だって どっちに似てたっていい
幸せにさえなれれば
こんな時代じゃない もっといい世の中なら 幸せになれるよ きっと……
いい世の中っていうのは 人と人がみんななかよくできる世の中のことだ
そんな日が速くくるといいな……
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ラストシーン 55歳の息子の姿に重なる若きウムボルトの姿 笑顔 彼の祈りがかなったのか