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紙の本
作者のミステリは初めて、一読ファンになりました
2006/01/22 12:59
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
多岐川恭の作家デビューはミステリ、『濡れた心』では江戸川乱歩賞を受賞しているということは知っていましたが、そのミステリ作品は品切れ絶版のものが多くて読みたくてもなかなか読めないまま、時代小説は何作か読んだことがあったのですが、作者のミステリはこれが初めてでした。で、驚きました。なんでこんなにおもしろいミステリがずっと品切れ状態だったのかと。
本書は『変人島風物誌』と『私の愛した悪党』の二長編を収録、片や冒頭でフェアプレイを宣言、変わり者たちの住む島でおこった連続殺人を扱った本格ミステリ、片や赤ん坊の時に誘拐された娘が二十年後に帰ってくることにからんだ殺人事件をユーモアあふれる筆致で描いた佳品、どちらも楽しめ大満足、なかなか読めないなどと言ってられない、何としてでも読んでみたいミステリ作家がまた一人増えました。
と、ほめたところでミスを一つ。『変人島風物誌』のはじめに島の地図がついていて、そこに変人たちの家の位置が示されているのですが、島の大地主で一番の変人の家が抜けている。ミステリの中身とは直接関係のないところではありますが、細かいところにも気を配ってもらいたいものです。
紙の本
フェアプレイに徹した犯人当てミステリ
2001/12/15 04:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鬼界 - この投稿者のレビュー一覧を見る
エキセントリックな人々が住む「変人島」に続発した事件の犯人は…
本格仕立ての『変人島風物誌』と、凝った章立てで展開する構成が愉しいユーモアミステリ『私の愛した悪党』を併せ収める。
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