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「このかわいそうな人には、他の男の子どもを何人も産むことはできても若様のお子を宿すことは、永遠にできないのだ」
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「マリア」の外伝。おもに親世代のお話。「マリア」よりエンターテイメント性が強め。でも悲劇的結末。
ミステリ風な短編漫画が巻末に1編収録されてます(この話は個人的に好き)。
個人的に、キャラではユリアが好き。
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う、うーむ……なんだろう、この読了後の違和感。
腑に落ちない結末。
あまりに処女作が偉大すぎて、エピソード1は蛇足になってしまった。
恐らく三人の主人公の持つエピソードが中途半端に絡み合ってしまったからだろう。もう少し深く掘り下げていれば(たとえばページ数を増やして分冊するくらいに)、壮大な大河物語になっていたかもしれない。
けれどホワイトハートから出されている作品であることを考えれば、仕方がないのかなあ。
「マリア」でデビューしてからこの作品を発表するまでの約四年間で、筆者の筆力は上がり、小説としての形は整った。だからこそ丁寧に描ききって欲しかったとワガママを言ってみる。
ラストが「マリア」へと続いていくわけだが、この後マリアが苦労をするのかと思うと、「マゼンタ」の主人公三人に文句を言いたい気持ちになった。
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とても面白いけども、悲劇的な内容に、後味の悪さも抜群。いたたまれない気持ちになるのに読んでしまう。感情を動かされる作品でした。
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六十過ぎの老公爵に嫁いだエルザは、宰相の息子と恋に落ちる。だが、エルザにはハプスブルグ家の姫君としての責務に、固く自分を戒め、許されざる恋に煩悶する。
これ以上切ない恋愛小説はないかもしれない……。
ここまでの悲恋を書ききった作者さんに脱帽です。
賢く、美しいエルザは悲恋をより美しくさせる登場人物ですし、騎士道を貫くフランツは潔かったです。