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紙の本
個性的な異郷サバイバル物語
2001/01/08 19:10
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投稿者:OK - この投稿者のレビュー一覧を見る
第二次世界大戦時、B29で来襲した米軍飛行士がひとり東京付近で墜落。なにしろそれがアラスカ出身のエスキモーだったものだから、とりあえず地図を見て惹かれていた北海道をめざしてひたすら北上していく、というなんだかよくわからない不思議なロード・ノヴェル。森と獣にしか興味のないマタギみたいな人物が主人公なので、話が政治性を帯びたりなんかはまったくせず、いくぶんファンタジー的な異郷サバイバル物語というおもむきになっている。
無感動で淡々としながらも強靱な主人公の語りが独特で、ある種のハードボイルド小説のような味わいを感じさせる。とりわけ印象的だったのは、彼にとっては全身を流れる「血」の熱さこそが「生命」そのものらしい、ということ。食糧や水を得て体力が回復したりするたびに、新しく血を入れ換えたような気分だ、といったような言葉で表現される。凍えそうな北国の山中で、獣たちの貴重な「血の熱さ」を捕獲する暮らしをしていると、そんなふうに実感するものなんだろうなと思わせる説得力がある。
コーエン兄弟監督+ブラッド・ピット主演で映画化が決まっているらしい。でも「黒髪で背の低いエスキモー」って、どう考えてもブラッド・ピットと合致する点がひとつもないんだけど……。
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