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瀬戸内寂聴の個性が強く出るけど、般若心経の解説としてはとても丁寧でわかりやすいと思う。お経の内容の流れが理解できると暗記が良く進みます。
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著者が京都嵯峨野の寂庵でおこなった、『般若心経』についての法話をまとめた本です。
『般若心経』の解説書や仏教入門ではなく、あくまで著者の法話として読むべき内容だと感じました。机に向かって勉強するという姿勢で臨むのではなく、著者の気のおけない話に耳を傾けているような気持ちになって読むというのが、おそらくただしいのではないでしょうか。
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先日、寂となった寂聴さん。
般若心経も日々唱えているので、心にスッと入ってきた。留めたい言葉達、
人間が幸福になるとは結局のところ、自由になることで、何事も怖れなくなることです。仏教は人間の幸福を、自由自在な心を得ることに求めます。いいかえれば悟りとは、この自在の心を体得することではないでしょうか。
人の死に際して、死者にも、死者を送る者にも、改めて人間の生き方を教えるという意味があります。
死ぬことを往生するといいますが、往きて生れるということ、あの世に往って生まれ変わることで、魂は永遠だという思想です。
往け、往け、彼の岸へ。いざともに渡らん、幸いなるかな。
まだまだ見つめて想うことは深い。
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寂聴さんが「寂庵」で毎月欠かさず開催していらっしゃった法話を一冊に纏めた名著で、300字未満の般若心経を一区切りずつ丁寧にご解説くださる。
各回、導入も大変興味深くて、老若男女・造詣の深さや信仰心の篤さを問わず法話に引き込む話術は流石の一言。
それは煩悩に突き動かされて生きた、彼女の知られ過ぎた半生があったからで、仏と衆生の中立をここまで実現されたご住職にもなかなか出逢えないものでしょう。
煩悩が無ければこの世は発展し得なかった、と説く。
何度も登場する「渇愛」と言う言葉も諸悪の根源の様に思われる一方で、確かにつくづく魅力的な二文字だもの…
一行目から引き込まれてしまって、ページを捲る手の止まらない事、止まらない事。
仏教の成立は何とスリリングで、仏の教えは何と哲学的か、と思う。
寂聴さん、一度お目にかかりたかった。
寂庵に伺いたくて何度か出していた往復はがきも、新型コロナウィルスの影響や寂聴さんの体調不良で宙に浮いたまんまなのだ。
思い立って真夜中、久々に墨を磨る。
年末にお寺で写経も良いなぁ…今年の穢れは今年の内に!