紙の本
興味深い内容でした。
2019/04/10 22:02
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投稿者:岩波文庫愛好家 - この投稿者のレビュー一覧を見る
一見、『社会的共通資本』って言われても、なんのこっちゃ?となるでしょうが、人が普通に生活していく上で安定を維持出来るようにする為の仕組みの事であり、事例で言うなら様々なインフラや行政制度の事を指しているという内容です。
その内容について農村の観点から、都市の観点から、学校教育の観点から、金融制度の観点から、地球環境の観点から述べられています。
本書のタイトルのイメージに比して大変判り易く書かれてありますので、一読の価値があります。
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独占されるべきではないみんなの資産
2016/01/25 23:39
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投稿者:ホンの無視 - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会において国民が共有する資本(インフラ、制度、自然環境)として、農村、都市、教育、医療、金融、環境が挙げられており、経済的な分析がなされている。
分析が1つの題材ごとに個別に完結しており、一見主張に統一感が無い様に感じるが、
重要なのは「みんな」がこれらの資本を利用しているという点である。
「社会的共通資本」について考える際だけでなく、「社会資本」は「不特定多数の市民が共用する」という点や、「誰が資産を利用するのか」を常に意識した上で経済について考えるのが重要な事なのだと感じる。
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社会的共通資本の紹介
2015/03/22 19:50
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投稿者:シエル - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨年2014年9月に亡くなった筆者の「思索の結晶」とカバーにある。
日本で最も著名な経済学者であり、日本人初のノーベル経済学賞の授与が毎年囁かれていた方らしい。
自分として宇沢氏の本は2冊目で結構分り易く説明されていると思う。
亡くなって半年以上経った現在でも書店では筆者の関連本が平積みされていて増刷されたり、新たに編集されて並んでいる。
「社会的共通資本」とは「一つの国ないし特定の地域に住むすべての人々が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力のある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような社会的装置を意味する。」とはしがきにある。
そして、その社会的共通資本は「自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本の三つの大きな範疇にわけて考えることが出来る。大気、森林、河川、水、土壌などの自然環境、道路、交通機関、上下水道、電力・ガスなどの社会的インフラストラクチャー、そして教育、医療、司法、金融制度などの制度資本が社会的共通資本の重要な構成要素である」と言う。
この論に基づいて序章の「ゆたかな社会とは」から書き起こし、「社会的共通資本の考え方」「農業と農村」「都市を考える」「学校教育を考える」「社会的共通資本としての医療」「社会的共通資本としての金融制度」「地球環境」の計7章で構成された一書。
非常に分り易い論で中には経済学を多少知らないと難解な部分もあるが基本的に読み易くなっていると思う。
本書が刊行されたのが2000年、リーマンショックは勿論のことITバブルが日本で起きるよりも前に書かれた本であるが全く古びれない。
政治家とか教職員などにも官吏にと社会的な出来事に関心のある人にはお勧めの本だと思う。
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豊かな社会
2023/10/11 09:28
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投稿者:なつめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
社会的共通資本の充実が、豊かな社会の基本だということが、分かりやすく解説されていてよかったです。共感できることが、多かったです。
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1月?
社会的共通資本という初めて聞く言葉であったが、この言葉の持つ可能性を本を読む中で感じた。社会的共通資本とは、社会全体にとって共有の資産として、社会的に管理・運用されるものと定義している。そして、筆者はそれらの例として、農村、都市、学校教育、医療などを上げ、それらは職業的専門家によって専門的知見をもち職業規律にしたがって管理されるべきものとしている。2章以降では、社会的共通資本の例示をあげつつ、説明している。少し残念だったのは、その2章以降の内容が、個別の章としては大変興味深かったのであるが、章全体として社会的共通資本と一般化して説明していくべき必要性をうまく納得できる程説明がなかった。
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この本かなりお奨めです。そして宇沢さんの意見に賛成!
農業によりかかりすぎかな、という印象をうけるものの、このような経済と社会を結びつける視点がもてたらなぁと思います。
どこかできいたことあるぞ、と思ったらウェブレンの説をベースにしてるようですね。
2007,june
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とりあえず農業すごいのはわかった。
でも現代人は麻痺してるから、
土からでてきたばっかの野菜よりもそこらのスーパーでパック詰めにされてる野菜のがいいんだろう。
過程を観る能力。
これが私たちに欠けているのではないか。
だから、ちょっと斬新なこと思いつくと不安になるのだろう。
社会的共通資本を独占するのは誰の悪意か?
守るなら資金もそうだが良心の欠片を各人からかき集める必要があるように思う。
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拝借
えーーーーと
岩波新書だからかもしれないけど、何が言いたいのか分かりませんでした。。
ちょうどゼミで社会的資本?SC?やってるときに借りたんだけど、
読むの遅くなった上にこんな感想で申し訳ない。
前人と話していて、
当たり前のことを当たり前のように分析しなおす本とかはつまんない
という話があって、
そんなことをちょっとだけ思い出した。
幸せな状態とは「 ・・・ 」と定義していて、それにのっとって議論が進んでいくのだが・・・・
うーん。
多分導入本?
追記:違うところで新聞への寄稿を読みました。そっちはとても感銘を受けた。やっぱ導入本すぎておもしろくなかったんだな
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宇沢弘文氏が以前から提唱する「社会的共通資本」の考え方について、簡略にまとめられている。
社会的共通資本の領域については、無原則に市場原理・競争原理を導入するべきではないという視点は参考になる。
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期待していただけに残念。
現在の行き過ぎた資本主義経済に警鐘を鳴らすという姿勢には基本的に賛成だが、では具体的に何をしたいのかが伝わってこない内容であった。
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5月勉強会の課題図書
社会的共通資本とは、ゆたかな経済生活を営み、持続的安定的な社会を維持するために必要な資本。これを自然環境、社会的インフラストラクチャー、制度資本といった3つのカテゴリーから考えることが出来る。
自分の言葉で置き換えるなら、「誰」のものというわけでなく、みんなで共有するような資本の総称。
議論がいきなり、感情的なものとなり、経済学的な知見から分析し意見されているのに、途中で破綻する話が多い。
良かった点は、新古典派→ケインズ→反ケインズという経済学の流れをざっくりと触れることが出来た点。
勉強会で話題となった部分。つまるところ、筆者の中で、「社会的共通資本」、「豊かさ」の定義付けがあいまいであるということ。そのため、議論していても途中でわけのわからない話に突入している。
まあ、こういう機会でもなければ読まなそうな本であったからよいか。
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[ 内容 ]
ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的に魅力ある社会を安定的に維持する―このことを可能にする社会的装置が「社会的共通資本」である。
その考え方や役割を、経済学史のなかに位置づけ、農業、都市、医療、教育といった具体的テーマに即して明示する。
混迷の現代を切り拓く展望を説く、著者の思索の結晶。
[ 目次 ]
序章 ゆたかな社会とは
第1章 社会的共通資本の考え方
第2章 農業と農村
第3章 都市を考える
第4章 学校教育を考える
第5章 社会的共通資本としての医療
第6章 社会的共通資本としての金融制度
第7章 地球環境
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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こんな人間的な経済についての本を私は今まで読んだことがありません。
経済学の根本に立ち返って今のアメリカ追従の日本に疑問を提起する一冊です。
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ウエブレンの提唱した制度学派の考え方を基礎に、人間が人間らしく経済活動をするために必要な社会的共通資本について論じた著作。
マネタリズムの新古典派経済学派の対極にある考え方である。
経世済民、本来の経済活動はこうあるべきだと高邁な議論が展開されている。
社会的共通資本をガバナンスする資質を如何に育てられるかその社会のあり方が問われる。
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「エリノア・オストロム」でググったら二冊ヒットした。一冊は洋書で、一冊は「シェア」だった。どうしようかなとおもったら、「この本を買った人が読んでいる本コーナー」にあった。