紙の本
「教育」の視点から「階級」を考える本
2002/04/15 17:04
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投稿者:LEE - この投稿者のレビュー一覧を見る
「経済」ではなく「教育」の視点から「階級」を考える本。本書担当編集は、小学校時代の通信簿は「2」ばかりだったが「非ゆとり教育」のおかげで大手出版社に入るまでになったらしい。とってつけたような話に聞こえるのは私だけ?
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第1章だけをとりあげて教育問題についての問題意識かと思ったが、そうではなかった。この国の支配階級の意図的、あるいは無意識の社会ダーウィニズム思想への帰依。これを鋭く突いている。人類は封建社会から現在の民主主義社会へと「進化」してきたわけだが、成功者たちは再び、別の方法論、それは遺伝子であったり、すでに持っている資産であったり、つまり個人の努力ではどうしようもないもので、新たな階級社会の創造を目指していることを明らかにしている。もちろん、階級社会をつくれ!なんては言っていないが、現象はそのとおりである。教育機会の不平等、就業機会の不平等、老後の社会福祉を受ける機会の不平等、それらを固定化していくシステム。前教育課程審議会会長三浦朱門はこういっている「できん者はできんままで結構。落ちこぼれの底辺を上げることばかりに注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。百人に一人でいい、やがて彼らが国を引っ張っていきます。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養ってもらえばいいんです。(中略)それが、ゆとり教育の本当の目的。エリート教育とは言いにくい時代だから、回りくどく言っただけの話だ。」。これは、現在の竹中平蔵大臣の「法人税減税、高額所得者の所得税減税で金持ちはもっともっと金持ちになってもらって、貧乏人はそのおこぼれを預かることが、全体のアップにつながるとする考えと同一である。くそったれの論理である。
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派遣へのセクハラや介護の問題が取材に基づいた現実が書かれている。10年ほど前の本だがこの現実は是正されていない。では、どうする?ガバナンス2.0が話題だがこれらの問題を正していくにはどうすればいいのか、今の自分にはわからない…
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同じ文庫本をまた買ってしまった。最近、同様のことがつづく・・・再読タブ機能利用してもレビューが前に載らないのでこちらに記載
2013年11月21日
日本が世界の市場で勝つためには、競争原理を徹底させなければならない。総理ご用達、政治学者がのたまう。競争原理が過剰に働けば必ずや階級社会が出現し、機会の平等さえも奪われるのだ。競争原理により下層市民として生まれた子供は出世できない時代が来るというのだろうか。明治維新を果した諸藩の志士を思えば、まだまだ機会平等な気がする。民主主義により堕落した日本国民に救いはあるのか。
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教育や福祉が市場化されていく規制緩和、改革とはなにか、市場経済にとってとくに学童は価値の乏しい消費者とみなされている。学童保育の企業化は不可能に近いらしい。そうなるとやはり市町村でその経費を負うしかないのかもしれないがそれも限界がある。一億総活躍するにしても活躍できる下地が整ってないわけ。