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紙の本
次回作に期待
2001/01/09 00:43
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投稿者:兜町の隣人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
残念ながら、お薦めいたしかねる本である。証券・金融業界の裏を描いたノンフィクションなら、高杉良氏の一連の著作を薦める。氏の著作のおもしろさには、遠く及ばない。
まず小説の書き方が稚拙で、とにかく読みづらい。妙に凝った時間軸の置き方も、小説の流れを分断するだけでしかない。また、通行人Aのような人物に背景説明は不要だろうし、メインの登場人物の描写も、下手な役者の大袈裟な演技を見せつけられているようでまるでリアリティがない。小道具の配置も陳腐で、安手の流行雑誌から引用してきたような落ち着かない印象を残す。
筆者が得意とするはずの証券業界の官民の裏世界の描写も、説明すべきところと不要なところの基準がどうもおかしい。これでは、主人公ですら「外為は専門外だから」と言っているのに、その彼以上の知識が読者になければついていけないだろう。難しい局面にいくほど一方的な進行に陥るあたりは、「策士策におぼれる」といったところか?
証券・金融業界というネタがタイムリーなだけに、惜しい気がする。とはいうものの、以前外交官出身の人が書いた処女小説(台題名は失念)に本作と全く同様の傾向があったことを思えば、小説家としては素人の人には過重な期待なのだろうか…。
だが、本書で出色だったのが過激な性描写だけというのは、何とももったいない話ではある。
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