紙の本
泣きの銀次
2022/04/27 08:37
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投稿者:yukko - この投稿者のレビュー一覧を見る
宇江佐さんの別の時代小説「夕映え」の解説で児玉清さんが
泣きの銀次を一読して驚いたのは、江戸時代に生きる庶民の暮らしとその世界へと惹き込む吸引力の凄さだった
読者を恰もその時代に共に生きるもう一人の登場人物としてしまう強い磁力・・・
と書かれていました。
これはもう読むしかないですよね
岡っ引きのはなしですが伊三次シリーズとはまた違ったストーリー仕立てで
読後直ぐに続編が読みたくなりました。
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この作品は宇江佐氏の本になった順番で言うと二番目。
に、してはというすばらしい出来である。
江戸の市井といい、登場人物の細かな表情といい
まるで映像が見えるようだ。
こと細かに考えて見ると、
銀次やその周りの人間に起きた事件は
悲惨そのものである。
それでも登場人物の描写がそんな事件を
あまりどろどろとしたものに感じさせず
最後まで惹きつけて離さず、そしてすっきりと幕引き。
見事。
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小間物問屋・坂本屋銀佐衛門こと銀次が妹を殺されたのをきっかけに岡引の手下となる。死体を見ると泣かずにはいられないことから泣きの銀次の異名を持つという設定。設定は味があって面白い。宇江佐らしい捕物小説
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捕り物だけあって犯人当て謎解き部分が多いが案外簡単な話だ。それよりも銀次という岡っ引きの魅力が何とも微妙だけど、お芳と結ばれたことはよかった。「お前だけ助かって」の台詞が出たときは、思わず悲しくなってしまった。
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妹の死をきっかけに、江戸の大店の跡取りの地位を捨て岡っ引きになった「泣きの銀次」が主役の長編。あまり厚くない本でもあり、さらさらり〜っと読めました。捕り物を中心とした人情噺ですが、市井のいろんな職業のヒトビトが登場して、いつものようにとても面白いお話でした。「伊三次シリーズ」とはまた少し趣の異なるカンジで、なかなか良いです。「続」もすでに手元にあるので、楽しみであります。むひひ。
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L 泣きの銀次1
かなり乙!銀次のキャラももちろん、番頭の卯之助との掛け合い、同心の勘兵衛、出てくるひと全てが魅力的。ミステリーとしても十分楽しめた。銀次の家族が手代に殺されたのは本当に残念。「ぷりぷり」と「くさくさ」と「…けェ」がいつもながら猛烈に好き。
巻末の解説は諸田玲子!おつ!
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このシリーズの最新刊のあらすじを読み、面白そうだったので第1作目から読んでみました。
面白く読んだけれど 多少出来すぎな気もするし、読みにくいと感じたところもあって、2作目に行く好奇心がイマイチ刺激されてないです。
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2013.5.9
これもまた宇江佐さんらしい。
でも髪結い伊三次には適わないかな。
この方のは世の中のいざこざが多いですね。
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始めの話の持っていき方が、ミステリー・謎解きの感じだったのですが、その面では期待しない方が良いでしょう。人情物という見方が正しいと思います。
まずは銀次とその恋人のお芳(岡引・弥吉の娘)のキャラクターですかね。泣きというキャラクターは新鮮ですし、お芳は宇江佐さんらしい、おきゃんな娘です。あと、強面の同心とその息子のやり取りも良いですね
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2019/4/21
被害者を見て号泣する岡っ引きっていうのは素敵なんだけど、時々登場人物の感情について行けない場面があった。
家族が毒殺されたのなんか、大事件の割には軽めに流された。
おかん復活してるのすげぇ。
嘆いてる場面もなく喧嘩とかしてるし。お芳追い出してるし。
お家が大事やし、今より人の命が軽かったからかなぁとか思ったけどなんか肩すかし。
こっちはモヤモヤしてるから一緒に先に進めなくて置いてけぼりやった。
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宇佐江真理さんの作品はテンポの良い江戸弁を上手に使い作品自体にほど良いリズムを刻ませているところにあると思う。妹が猟奇的な殺され方をした。大店の息子の銀次は岡っ引きになったのだが、死体を見ると子供のようになくために、泣きの銀次なんて言われている。10年がかりで犯人を追い詰めていく様はなかなかに面白く、同時進行で展開されるお芳との恋もおもしろい。
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宇江佐真理「泣きの銀次」、2000.12発行。老舗・小間物問屋「坂本屋」の若旦那であり、かつ八丁堀の泣き銀と呼ばれる岡っ引きでもある銀次28歳と坂本屋の女中お芳17歳の長い長い道のりのラブストーリーです。