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バトル・ロワイアル(ヤングチャンピオンコミックス) 15巻セット みんなのレビュー
- 高見広春 作
- 税込価格:8,795円(79pt)
- 出版社:秋田書店
- 発売日不明
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- 商品タイプ:セット商品
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紙の本
怖い!
2002/05/30 08:52
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投稿者:ルイス - この投稿者のレビュー一覧を見る
殺されないために、正当防衛として結果的に人をあやめた場合は法的には罪にとわれないかもしれない。しかし、でも過剰な防衛で、両者に殺意があった場合、そこに正当性、正義は、真に認められないだろうと思う。また道徳的には、互いに殺しあうことは、どんな理屈をならべてみたとしても、歴史上の全ての戦争を否定しなければならないだろう。過去においても、現在においても。また、未来においても。
それとは、別に架空の話で、狂気的な状況におかれていて、お互いを殺させあおうとする政治的圧力の前に疑心暗鬼におちいるより前にあくまで、互いを信頼しあうことを求めることは、すばらしい。そこまで、強い意志をもてないものの人間の弱さも心をうつ。しかし、この「バトル ロワイアル」のもつ魅力はそういった道徳観においてではなく、もちろんそれぬきにしてはなりたたないが、ひとまず、読み始めたら続きを終わりまで読み終えないとよけいに、怖いという、ある種のサイコ的な気持ち悪さにある。もしも、この作品が読者が展開を読めるようなものだったり、登場人物が、魅力的でなかったら、単なる駄作に終わっていただろう。息をもつかせぬスピード感で読み進ませる迫力と、クラスメートのひとりひとりの死にざまにおけるプラスとマイナスの人間的魅力、個性。それにより、成功した作品だといえる。殺されるもの。殺すもの。殺せぬもの。狂うもの。自殺するもの。仲間をつくるもの。孤独になるもの。信じることの出来ないもの。信じる価値のないもの。なお、信じようとするもの。まもりたいもの。助けたい人。そして、裏切り。だまされて怒るもの。だまされたことにも気づかないもの。殺さなければ、死ぬだけという恐ろしいプログラム! 現実的にはありえない設定に自分ならどうする? の問いに答えはだせなかった。殺せない、でも、殺されたくない。逃げたい、でも、逃げれない。無残に殺される前に自殺するか、政府にたてつく勇気もない。では、どうなる?の問いには一言「想像したくない!」
原作よりもマンガのほうがスプラッタ的な迫力とスピード感がある。どちらかというと作者の読ませる力量では、マンガのほうをむしろオススメ。だが、完結するまえに、小説の原作を読んでしまう読者もいるだろうと思う。実は私だけど。ホラーが苦手な人は読まぬべし。
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