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紙の本

仏教の教育観を分かりやすく説いた法話集

2001/02/19 17:30

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:佐藤哲朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 本書は仏教の視点から語られる実践的な子育て・教育論である。題名や見出しの言葉もちょっとベタな感じがするけど、ひとまず人文書読みのプライドを脇において、ページをめくってほしい。

 著者のスマナサーラ長老は、スリランカ出身の僧侶だ。『日本テーラワーダ仏教協会』を通じて現在スリランカや東南アジアで信仰されるテーラワーダ仏教(上座部仏教・初期仏教)の教えをわかりやすい言葉で日本人に紹介し、その冥想実践を指導している。

 子供の教育をめぐる議論はいま混乱状態にある。少年犯罪や学級崩壊、児童虐待などのニュースに多くの人が不安を抱く一方で、「少年犯罪は統計的に増えていない」、「学校教育は近代国家の所産であって時代遅れ」、「家庭の教育力が強調されるようになったのは近年のことだ」といったアンチテーゼも出され、正反対の議論が錯綜している。

 しかし親として、教師として子供と向き合う現実は、どのような概念の操作によっても変わらず残る。あやふやな未来の変革を達成するため、いまを論争の明け暮れに費やせるヒマ人は少ないだろう。多くの人にとって、子育て・子供の教育はかけがえのない一期一会であり、所与の条件の中で全力をつくすべき課題なのだから。

 子育てや教育に不安を抱く人々に対して、スマナサーラ長老は「じゃぁ、とりあえず、そこから考えてみましょう」という具合に語りかける。一人ひとりが直面する子育てや教育の現場で、より良く子供を育て、子育てを通じて「心を育てる」ための基本的な考え方と実践法を説いてゆくのだ。

 長老はまず、「最初の教師」である親が子供に道徳を教えないことは「子供の生きる権利」を奪うことに等しいと述べる。道徳とは善悪の判断基準であり、ひとことでいえば「自業自得」の法則を踏まえた子供自身の「責任感」の自覚だ。

 そして釈迦が息子のラーフラに「自分のためになること、まわりのためになること、皆のためになることをせよ、その基準に反する行為は止めよ」と諭したエピソードを通じて、この三つの原則を守れば、「個人個人が道徳という基盤の上で自由な生き方をすることができます。それは仏教的な生き方でもあります」と強調する。

 さらに教育の意義について、こんな凄いことをさらっと言ってのける。

「教育というのは人間が生まれてから死ぬまで、どのようにこの地球のなかで行動するべきか、どのように他の人や他の生命とかかわっていくべきかを教えることが役目なのです。」

 彼の言葉はどこまでも明確だ。仏教に対して浮世離れしたイメージを抱く人は多い。しかし釈迦の説いた仏教とは、あくまで私たちの日々の「生き方」に焦点を合わせ、具体的な実践の道をそなえた教えであった。「具体性のまったくない教え、観念や妄想を回転させるだけの教え」を激しく批判したのは釈迦その人であった。

 本を読むという行為もまた、しばしば「具体性のまったくない教え、観念や妄想を回転させるだけの教え」に私たちを閉じ込めてしまう。私たちが、知識を本当に「役にたつ」ものへ鍛える志を持つならば、ここで紹介したテーラワーダ仏教の智慧は大いに参考となるだろう。釈迦の教えは優れた知識人論でもある。その秀でた実例が、スマナサーラ長老の著作には詰まっている。
(佐藤哲朗/@BODDO主催・ライター 2001.2.18)

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2008/07/25 06:20

投稿元:ブクログ

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