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紙の本
近代天皇制の残したもの
2001/05/05 20:32
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏野涼 - この投稿者のレビュー一覧を見る
天皇とは、天皇制とはいったいなんなのだろうか。詳しく考えたことがあるだろうか?
学校で教わった(あるいは今教わっている)日本史の中では、さも天皇の権力が絶大だったような印象が強い。しかし、天皇が実際に権力を握っていたのは大化の改新以来約300年に過ぎない。歴史的には政治的な力をもたず、国民にほとんどその存在を知られていなかった天皇が、明治期に明治憲法の下で近代天皇制が確立されると、日本人の精神の中に大きな影響を持つようになった。そして、太平洋戦争で日本は天皇の名の下にアジア諸国を侵略し、たくさんのアジアの人びとを殺害し、略奪を重ねた。
なぜ明治以降このように天皇制は変質していったのか。なぜ近代天皇制が、今なお支配的地位についている人たち(政治家や財界人ら)の間で支持され、復活をもくろまれているのか。
本書はある大学のサッカー部を舞台に、近代天皇制がいかに今もなお日本社会に影響を与えているかを、マンガを通して我々の目の前にわかり易く提示している。
最近は森前首相や小泉首相のように平然と復古的な考えを口にする首相が出現してきており、また「新しい歴史教科書をつくる会」なる組織の教科書が検定に合格する等、復古的な風潮が現出してきている。我々はもう一度天皇制の歴史を振り返り、その功罪についてじっくり考える時期にきているのではないだろうか。本書はそのために大きな力を貸してくれるだろう。
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